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インタビュー

『地球交響曲第五番』龍村仁独占インタビュー
『地球交響曲第五番』龍村仁独占インタビュー 「すべての生き物はつながっている。地球はひとつの大きな生命体である」 このガイア理論に基づいて、写真家、物理学者、生物学者、版画家、サーファー、音楽家などさまざまな職業の、超人的ともいえる体験を取材したドキュメンタリー映像『地球交響曲』シリーズ。第一番には、アポロ9号の乗組員ラッセル・シュワイカートやエベレスト無酸素登頂を果たしたラインホルト・メスナーなどが登場する。今回、シリーズ第五弾となる「地球交響曲第五番」を完成させた龍村仁監督に話を聞いた。

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Q:このようなテーマを選ばれたのはどのようなきっかけからでしょうか?
この映画は、「地球交響曲(ガイアシンフォニー)」といいますが、「ガイア」というのはギリシア神話の女神のことです。その女神によって地球は動かされているという話ですが、ジェームズ・ラブロックという英国人学者が、1970年代に「地球という惑星はそれ自体が物ではなくて、ひとつの生命体である」という考えを「ガイア理論」として発表しました。人間や動物、植物、風や水や岩などすべてが、地球というひとつの生命体として機能しているという科学理論です。これを知って、この映画を「地球交響曲(ガイアシンフォニー)」と名付けたのです。

Q:元々ガイア理論と同じような考えが、監督の中にあったのでしょうか。
我々は、誰に教えられなくても、感覚として、大きな生命システムの一部として生きていることを、幼い頃から知っているのではないかと思います。私は、地球上に多くの生物が存在する中で、人間が担う役割は、考える力、想像力などではないかと考えました。人は未来をどうしたいかと想像し、科学技術によって環境を変えていく力を持っている。そうなってくると、重要なのは人間の生き方です。素敵な生き方をしている人たち、想像力で何かを成し遂げている面白い人たちを描きたいと思ったのです。

『地球交響曲第五番』龍村仁独占インタビュー

『地球交響曲第五番』龍村仁独占インタビュー
Q:ずっと自主上映という形をとられていますが、これにはどういう経緯が?
特にこだわりがあったわけではなくて(笑)、 一番をつくったときに、配給会社は商業的な価値観でこの映画を観て、客が来ないと判断をしたわけです。けれどこの映画は、観た人たちが、身近な人に言葉で説明するより、この映画を見せたいと思ってくれるわけです。そういう動機は極めてピュアで強いものなので、自主上映が実現してきたのだと思います。それこそ、これからはインターネットの時代ですね。映画を上映するってことは、プロ的な知識と経験がなくてはできないと思われてきたけれど、最近はデジタルでも上映ができるようなりました。「みんなのムービー」プロジェクトでは、経済産業省のサポートで上映機材を無料で貸してくれたりして、ベストのクオリティで比較的楽に上映ができるようになってきたんです。

Q:この映画に登場する方々は実に様々ですが、皆さん共通のメッセージを語ってらっしゃいますね。
そう。ガイアの出演者は皆、それぞれ独自の道を生きていますが、そこから出てくるメッセージは、とても普遍的なものです。観ている人々の心にも同じものがあるから、共感や感動が生れるのだと思います。例えば、第一番に登場するダフニーのように、象のみなしごを育てて野生に返すなんて、世界で一人か二人しかできないような極めて特殊な経験です。けれど、その体験を通して彼女が発するメッセージは、特殊ではなく、人間と自然の関係など、人の生き方と通じる話です。個を通して、個を超えた普遍性に至ることが大事なことだと思いますね。


Q:第五番にはこれまでの出演者が多く登場しますが、監督にとって節目のような意味があるのでしょうか?
ダライ・ラマを日本に呼ぶなど、我々が意図的にできることではないですよ(笑)。今回については、偶然が重なりました。しかし、彼らに出演してもらうために、自分たちのできることはしましたし、その結果として、かつての出演者と再会することで実を結んだともいえます。

Q:今回出演されている石垣さんとはどのようなご縁だったのでしょうか?
石垣島で地球交響曲の第一番から三番までが自主上映されたのですが、その上映を企画してくれたメンバーの中に、石垣さんがいらっしゃったんです。それで石垣さんの工房にお伺いしました。この時はまだ四番の撮影中だったのですぐに出演依頼、とはなりませんでしたが、その後東京で石垣さんが講演をなさっていた際に、お会いしたのです。

『地球交響曲第五番』龍村仁独占インタビュー

『地球交響曲第五番』龍村仁独占インタビュー
Q:今回、奥さんの出産シーンを撮影されるにあたって抵抗感はありませんでしたか?
多少の抵抗はありましたよ。ただ、最近の世界的な情勢、自爆テロや、日本だけをとってみても、子供たちが同級生を殺してしまうとか、一人の人間が小学校に入って子供たちを刺し殺しちゃうとか、命に対する想像力の欠落が異常な状態になってきている。それは、自分の命が一体どうやって成り立っているんだろうってことに対する想像力の欠落だろうと思うんです。命とは何だろうってことをベーシックに感じることがとても重要だと思いました。とはいっても、他人の出産であれば撮ることはなかったと思います。たまたま自分の身に起こったので撮ることになりました。お産ほど、プライベートなものはないですからね。どんな大儀名文より、無事に子供が生れることの方が当たり前ですが重要ですからね。

Q:どうやって出演者の方を決めていらっしゃるのですか?
多くの場合は、お会いしたときの笑顔と目で決めるのです。そういうと皆さんに驚かれますが、調査やデータと、直感や偶然による出会いは必ずしも切り離せないのですよ。この、会って直感的に決めるというやり方は、自然の無限に近い情報量を処理して決めているようなもので、無限の情報が一瞬にしてやり取りされているってことなんです。仮に、まったく同じことを話している二人が居たとしても、どういう強い動機で、どういう気持が心の奥底にあってその言葉をしゃべっているか、は目を見ればわかるものです。

Q:第六番の構想もすでにあるのでしょうか?
五番の結果次第ですね(笑)。機会をいただければ、つくりたいと思っています。

取材・文: 佐里沙理
「地球交響曲第五番」期間限定特別ロードショー 東京国際フォーラム 8月28日(土)〜9月12日(日)

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