■二度と再現不可能な“三木ワールド”

Q:まずはこの作品をご覧になった感想を聞かせてください。

監督:
いや〜、みんな頑張ったなと(笑)。ただこれをもう1回やろうと思ってもできないな……とは強く思いましたね。どちらがいい悪いということではなく、『図鑑に載ってない虫』とかはもう一度やろうと思えばやれるという感じはあるんだけれど、『転々』に関して言えば無理だと思うんですよ。脚本は2005年に書いたんですが、もう1回脚本をゼロから書き始めたとしたら、泉さんとオダギリさんの動物園のシーンなんて書くかなと。つかみどころがなくて、ある意味自分でもちょっと怖いという感じは受けましたね。

小泉:
わたしはとても気持ちのいい一日を過ごしたな……というイメージというか。「あぁ、今日はいい日だったなぁ〜!」という感じに近いですね。観る方によって、すごく面白い映画だったよと言う人もいるかもしれないし、ジーンときちゃった……と言う人もいるかもしれないし、中にはワケ分かんなかったという人もいるかもしれないし。受け取る側によってそれぞれいろいろなイメージを抱かせる映画だと思うので、そういうところがとてもすてきだと思います。

Q:この作品は東京を転々と散歩する話ですが、お2人ともよく散歩はされるのでしょうか?

監督:
僕はよく散歩しますね。散歩というか、仕事などでちょっと時間が空くとその仕事場の回りがどうなっているんだろうと歩いてみる“小散歩”が好きです。待ち合わせの時間に30分早く着いてしまったら、ちょっとその辺をウロウロするようなね。

小泉:
わたしもよく監督と同じようなことはしますね。家の近所とかはよく歩きますし、「ん、この路地知らなかった!」と思うと必ず曲がってみます。あと行き止まりっぽいところはちょっと入って奥まで見てみるとか(笑)。映画の撮影の合間にぽっかり1、2時間空いたりすると、寝たりするよりは「じゃあちょっと近所を歩いて来よう!」となりますね。果たして散歩が好きなのか、何かが見たいのか……自分でもかよく分からないんですけど(笑)。路地に入ると猫とかもいますし、鉢植えとか洗濯物とかを見るのが楽しいですね。奇妙な置物とかを置いてある家を見ながら「え、こんなにかわいくなくていいんだ……」というような感想を心の中で言いつつチェックを入れたりしています(笑)。
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