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『スター・トレック』J・J・エイブラムス監督、クリス・パイン、エリック・バナ 単独インタビュー
世界中にファンを持つ、伝説のテレビドラマ「スター・トレック」。今回、映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』や、テレビドラマ「LOST」を手掛けたハリウッドの天才クリエーター、J・J・エイブラムス監督が、まったく新しい『スター・トレック』を作り出した。若きジェームズ・T・カークを演じるのは、期待の新星クリス・パイン。そして、地球の破壊をもくろむ凶悪な敵ネロを演じたエリック・バナは、本人とは一目でわからないほどの特殊メークで登場する。そんな、新生『スター・トレック』を作り出した3人に話を聞いた。
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『スター・トレック』シリーズのファンではなかった!?
Q:まず初めにエイブラムス監督におうかがいしたいのですが、どうやって最初にこの新しいプロジェクトを始めていったのでしょうか? 『スター・トレック』についてよく知らないわたしでも、とても楽しめました。
エイブラムス監督:
とても光栄だよ、ありがとう! 実は今思うと、このプロジェクトを始めた段階では『スター・トレック』シリーズのファンというわけではなかったんだ。僕は、最初プロデューサーとしてかかわったんだけれど、脚本を読んだ段階でキャラクターたちに恋をしたんだよ。ストーリーも気に入ったし、アクションやコメディーなどの、楽しいところが気に入った。だから、最終的には、『スター・トレック』シリーズだったからというわけではなくて、とにかく脚本が気に入ってこのプロジェクトに参加することを決めたんだよ。
Q:どういった経緯で、このかっこいい2人(クリスとエリック)を選んだのでしょう?
エイブラムス監督:
まず、2人のスケジュールが空いていたんだよ。さらにギャラも安くて、とても手ごろだったし、ちょっとしたハリウッド割引があったからさ!……っていうのはウソで(笑)。エリックのことは何年も前から知っていて、共通の友だちもいて、昔から一緒に仕事をしたいと思っていたから、とてもいい機会だと思ったんだ。彼がオファーを承諾してくれたときは、とてもわくわくしたし、ラッキーだったね。クリスには、台本を読んでいるところをビデオに撮って送ってもらったんだけれど、実際に演技を見てみないと選ぶのは難しかったんだ。ある日、僕の妻がクリスのマネージャーと話をして、妻から「クリスと会ってみなさいよ」と言われてね。それでクリスが会いに来て、僕の目の前で台本を読んでくれたんだけれど、とても才能があって、頭の回転が速くて、ユニークだったからすぐに彼に決めたよ。
■カークの性格は、日本男性も親近感がわく!?
Q:主人公カークには、憎めないところや、ユニークなところがあって、とても親しみやすかったです。クリスは、役と自分の共通点はあったと思いますか?
クリス:
そうだね、多分僕自身はスポックとカークの間の人間だと思うんだけど、面白かったことはヤングバージョンのカークは、どんな男でも、若いころに感じたような、若者特有の怒りや反抗心を持っていることかな。どういう道を人生で歩んでいくか、ちょっとだけ恐れながらも、自分で探していく。それが自分にとってとても共感できたし、観客にも共通するんじゃないかと思った。日本の男性も、きっと彼に親近感を持てるんじゃないかな。
Q:確かにカークは、あんまりけんか強くないですもんね!
クリス:
いやいや、結構強いんだって!
エイブラムス監督:
でも、結構涙もろいんだよな(笑)。
エリック:
いや、それに泣き虫なんだよ(笑)。
クリス:
ちょっと、ちょっと……、おれはタフガイだって!
Q:エリックの特殊メークは、とてもリアルで、最初エリックだと気付きませんでした。初めてメークをした後の自分の顔を見てどうでしたか?
エリック:
特殊メークをするときは、とても楽しみにしていたよ。だって、自分の顔をメークで隠すなんて、めったにないユニークな機会を与えられたしね。すでにエイブラムス監督と一緒に仕事をすることも楽しみだったし、脚本を読んだ段階で十分楽しみだったけど、自分の役を見て特殊メークをすると知って、さらにわくわくしたんだ。なぜなら自分の感情を、プラスチックの下から表現しないといけないしね。
■名コンビとして知られる二人の素顔とは?
Q:撮影についておうかがいしたいですが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
エイブラムス監督:
毎日がすごいチャレンジばかりで、ほとんどが普通じゃないシチュエーションばかりだったよ(笑)。役者同士が話しているシーンだけでも、常にピンと張った綱の上にいるような緊張感があったよ。ちゃんとやらないとパロディーかなんかになってしまうしね。本当に、緊張感の連続だった。でも幸運にも出演者たちは皆、ユーモアのセンスを持っていたし、冗談を言い合いながら、互いにテンションを上げながら作っていたよ。
Q:クリスはどうでしたか?
クリス:
とても楽しく撮影ができたから、それが観る人たちにも伝わるといいと思うよ。 新しい『スター・トレック』を作るなんて、周囲から高い期待を抱かれていて、とても大きなプレッシャーや責任感があった。毎日、挑戦しないといけない場面が出てきたけれど、エイブラムス監督はとてもいい空間を作ってくれて、リラックスして演じられたよ!
Q:エリックはいかがでしたか?
エリック:
とても楽しい時間を過ごせたから、エイブラムス監督に対してとても感謝しているんだ。現場のムードっていうのは、監督がキャプテンとして舵を取らなきゃいけない。エイブラムス監督はその力もあるし、みんなをリスペクトしてくれている。とても長い撮影で、長い時間、皆と過ごさなきゃいけない状況でも、彼はそれぞれの人たちが心地良くいられるようにしてくれたよ。
Q:自分の船は気に入りましたか?
エリック:
ああ、とっても気に入っているよ! おれの船は、暗くて、悪そうで、寒々しくて……、めちゃくちゃクールだっただろ? 小さい男の子って、こういう悪いやつが好きなことがよくあるから、きっと気に入るだろうね(笑)!
■エリックとクリスのアクションシーンは必見!
Q:エリックとクリスは、映画の中で、ファイティングシーンがありましたね。あのシーンは、お互い楽しめましたか?
エリック:
かなり楽しかったよ! 人をぶん投げられるなんて、普段経験しないことだから楽しいよ(笑)!
クリス:
しかも、あのシーンは、最初にもらった脚本の中にはなかったよね?
エイブラムス監督:
そうだね。もとの脚本にはなかったから、作ったんだ。最初はまさか、カークとネロとスポックが顔を合わせて、戦うことになるとは思わなかったから。だから3人のアクションシーンを入れることになって、とてもエキサイトしたね!
Q:エリックはクリスと戦ってみていかがでしたか? 強かったですか?
エリック:
とても強くてけんかをするのにはとてもいい相手で良かったよ! けんかって、本来は身構えないもんだろ? 普通はアクションシーンで、アザも作りたくないと言う俳優もいるけど、彼はとても勇敢に挑戦していたね。
エイブラムス監督:
タフガイだもんな(笑)。
クリス:
そうそう! エリックよりも大きいスタントマンと練習していたときは、楽しくてアクションシーンは楽勝だと思ったんだけれどさ。実際エリックとアクションシーンをしたら、超強いから焦ったよ(一同笑)! でも頑張ったよ!
Q:最後の質問ですが、映画を撮る上でとても印象深い場面が必ずあると思いますが、どの部分ですか?
エイブラムス監督:
僕にとっては、長年スポックを演じていたレナード・ニモイが撮影を終えたときかな。彼はもうこの役をやらないと20年前から言っていたのに、とても頑張ってくれたんだ。彼も、とても楽しめたみたいでうれしかったよ。いろいろと難しい状況もあったけど、最後にはクルーにとてもすてきなスピーチをしてくれて、映画への深い思いやりを感じた。そのときはまだ撮影も終えてないし、編集もしてない段階だったけど、必ず彼が満足してくれるような作品になることを祈ったよ。彼の感動的なスピーチを聞けて、本当に良かったと思うよ。
クリス:
特別な瞬間は、たくさんあったけど、ブルース・グリーンウッドと撮ったバーの場面の後かな。ブルースのことは常に画面上で見ていたし、僕にとっては尊敬する俳優の一人だったんだ。そんな人との二人きりのシーンの撮影は、とても楽しかったし、撮影が終わった瞬間の感動はとにかく半端じゃなかったね。
エリック:
一番最初に自分の船のセットに行って、キャプテンの席に座って、ふっと一息ついたときかな。エイブラムス監督が来て「これからこういう風に始めるよ。こういう感じになるよ」って話しかけられたとき、「あぁ、本当にこれから『スター・トレック』を撮るんだ」って実感してとてもワクワクしたよ。
クリス:
おれも! 夢みたいだったな!
まったく新しい『スター・トレック』を作り出した彼らは、自分たちの作品に絶大な自信を持っていた。それぞれが、最大の力を出し切ったからこそ、これだけの自信を持ってインタビューに答えられたのだろう。最後の最後に付け足されたという、スポック、カーク、そしてネロのファイトシーンはとにかく大迫力! 3人が、「いや〜あのシーンは良かった!」と口をそろえるほど、印象的なシーンに仕上がっている。エイブラムス監督が大興奮したという、オリジナル版スポックの登場も見逃せない! トレッキー(『スター・トレック』シリーズのファンの総称)だけでなく、まだ観たことがない人たちにこそ、新世代の『スター・トレック』をぜひ堪能してほしい!
取材・文: シネマトゥデイ 写真: 高野広美
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