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あしたのジョー (2010)

監督
曽利文彦
  • みたいムービー 208
  • みたログ 1,421

3.67 / 評価:1,356件

原作のファンなので、不安もありましたが…

  • もみじ さん
  • 2011年2月17日 0時11分
  • 閲覧数 237
  • 役立ち度 17
    • 総合評価
    • ★★★★★

子供の頃、ジョーのアニメに心を揺さぶられ、原作コミックス全20巻をいまだに所有し…私にとって、ジョーは永遠のヒーロー。

実写化のニュースを聞いた時、イメージを壊されないかなぁという不安あり、ちょっとだけ楽しみでもあり…。
ハンパなものは作って欲しくない、と思う反面、実際に動いて、しゃべって、リングで汗を飛び散らせる生身のジョーも見てみたい、という期待もありました。

まず率直な感想としては…期待以上によかったです!
上映期間中にもう一度くらい見に行きたい、と思ったくらい。

まず、映像がかなりいい感じでしたね。
ドヤ街の、何となく埃っぽくて、空気がゆらゆらとした感じ。
ものの輪郭がはっきりしないような感じ。
そんな雰囲気に、すぅーっと引き込まれました。

約2時間という枠組みの中で、全てを描けないのはわかります。
たとえば、段平がジョーという逸材に出会って、体が震えるほどの感動を覚えるところ、ジョーが力石との出会いによってボクシングに目覚めるところ…そのあたりはもっとしっかり描いてほしい、という感じもありましたね。
でも、だんだん、足りない部分は自分の頭の中で、自然に埋めながら、ジョーの世界に浸りだしている自分がいて。

脚本としても、山下くんとしても、ちょっと“クールな”ジョーですね。
原作のジョーって、意外と明るさやユーモア精神があったりするので、キャラクターの違いに、少々違和感も感じました。
しかし見ているうちに山下くんのジョーも、これはこれでありかな、と思えました。
力石との試合、最終ラウンド直前に段平に語りかけるシーンはよかったですね。

伊勢谷さん=力石のキャスティングは、絶妙でしたね。
原作のイメージを一番踏襲していたと思います。
本当の力石徹がそこにいるような…。
減量シーンも、鬼気迫るものがありました。

葉子の原作にはない「過去」。
最初は「どうして?」って感じで、しっくりこなかったのですが、見終わってなるほど、と思いました。
原作では葉子とジョーはもっと複雑な関わり方をするのですが、時間の制限もあるでしょうし…。
葉子を一気に物語の世界に引っ張り込む為の、追加されたエピソードだったのかな、と想像しました。

香里奈さんは、葉子役と聞いたときちょっとイメージが違う気がして不安でした。
しかし、ちょっとタンタンとした演技が、思ったよりもハマっていたなぁ、と。
前時代風のファッションも、なかなかよかったです。

あー、丹下ジムのセットなども、現実はさもありなん、という感じで、よかったですね。
全体的に暗い感じと、そこに差し込む光と。

ジョーの衣装なども、原作に忠実に作っている感じで、ファンとしては感激です。
赤い帽子、赤いシャツ…ジョーはこうでなくっちゃ。
ベージュのズボンの丈が短いのが、妙にいいですね。
(ジョーの髪型は、さすがに原作と違いましたが…)

それから、ジョーの胸元がVに切り替えのあるトレーニングシャツ。
あの衣装も、原作ファンにとっては涙モノ。
よくぞ、着てくれました!という感じ。

試合のシーンも迫力あり…。
実写ならではの、汗や血にまみれる感じあり…。
パンチを受ける顔が、グニャ、ってかんじで激しくゆがむのも(普通ならアップにできないような顔)リアリティがあり、じっと見入ってしまいました。

ちょっと残念だったのが、試合後のリング上で、ジョーが力石に歩み寄って話しかけるところ。
あのシーンだけ、なぜかジョーも力石もいきなり正常モードに戻ってしまった印象…。
死闘の後、という感じが薄れてしまったように思いました。

ウルフ金串のあの奇妙な雄叫びも、なかなかおもしろい演出でした。
ウルフも原作では、けっこう個性あるキャラクターですが、映画ではなかなかそこまで描ききれないですよね。
あの雄叫びでウルフなりの闘志、屈折などを端的に表現しているのかな、と感じました。

さて、香川さんは、確かにうまいんですよ。
本当に大活躍の俳優さんで、見ていて安心があるんですが…。
しかし今回はどうも「いつもの香川さんの達者な演技」でとどまってしまい、今ひとつ突き抜けるものが感じられなかったのですが。
段平の強烈なキャラクター、っていうものが今一つ見えてこなかった気がします。

原作がいくら素晴らしいものでも、かならず原作通りに作って欲しい、とは思いません。
でも、原作から何かを変えるなら、もっといいもの、または、原作とは違ったよさのあるものを作って欲しい。
…と、視聴者としては、勝手なことを思うわけです。

原作もアニメも(あおい輝彦さん、最高!)大好きですが、この映画も、また一つの新しいジョーの世界を作り上げていると感じられました。

※しかし…豚さんの脱走シーンは、さすがに無かったですね(^^ゞ

詳細評価

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