
(C)Coriolanus Films Limited 2010
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巧い! この動物デッサン、とてつもなく巧い! 動物絵で知られるドイツ表現主義の画家、フランツ・マルク、あるいはシャガールよりもタッチが新しい、というか彼らよりも巧い! しかし、牛、サイ、ウマ、ヒョウ他、巧すぎないか!? 観る位置によって変幻する岩壁の凸凹を利用しただまし絵もあり、動きの連続を捉えた映画的な絵まである!! というようにとにかく岩壁にこれらの絵を描いた石器時代人のテクニックに驚いてしまった。
ベルナー・ヘルツォークが最少クルーで足を踏み入れたこの記録映像を観るまで、ショーベ洞窟の存在をまったく知らなかった。1994年、南フランスで3人の洞窟学者が発見するわけだが、崖崩れで洞窟がタイムカプセルの如く封印されたのが幸いしたようだ。
壁画の中で一番古いものは3万2000年も前までたどれるらしい。われわれが学校教科書で知るラスコーの壁画を1万7000年上回る。黒のモノトーンで多色使用のラスコーに劣るものの、表現ではこちらの方が先述のようにより現代的、というのがとても興味ぶかい。しかし、だれがどういったシチュエーションで描いたのか? 儀式の一貫か? 女性学者の説明では、この絵を描いた人がこの絵も描いた、といった個性の刻印が残された手跡でわかるかもしれないとのこと。いずれにせよ現在も注意深く調査・研究が進行中なのだ。こういった発見があるから、まだまだ地球も捨てたものではない。ラストに置かれたヘルツォークのメッセージ、各国の原子力ムラの方々はどう受け止めるか?(滝本誠)
[ 2012年3月1日更新 ]
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