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『ソラニン』宮崎あおい、桐谷健太、近藤洋一、伊藤歩 単独インタビュー

2010年4月1日 更新

『ソラニン』宮崎あおい、桐谷健太、近藤洋一、伊藤歩 単独インタビュー

学生時代にバンドサークルで知り合った5人の若者たちが、不確かな未来と現実のはざまで悩みながらも、新たな一歩を踏み出して行く姿を描いた青春映画『ソラニン』。原作は、同名コミックが累計70万部を突破した浅野いにお。高良健吾が演じるバンドマンの恋人・種田が遺(のこ)した歌を歌い継ぐことを決意する、主人公の芽衣子を演じるのは、宮崎あおい。芽衣子の親友を伊藤歩が、種田のバンドメンバーを桐谷健太、サンボマスターの近藤洋一が演じた。作品同様、固いきずなで結ばれたキャストたちに、作品への熱い思いを語ってもらった。

■ボケとツッコミのムードメーカー担当は?

■ボケとツッコミのムードメーカー担当は?

Q スクリーンから皆さんの仲の良さが伝わってきました。

宮崎
健ちゃんは、本当に面白くて! 特に歩ちゃんとしゃべっているのを聞いていると、笑いが止まらなくなってしまいました。健ちゃんと歩ちゃんは、現場のムードメーカーでした(笑)。
桐谷
たぶん、伊藤歩ちゃんってこういう子だったんだ! っていうのは、みんな思ったと思います。
近藤
すごかったもんね(笑)。
伊藤
そうかな? みんな優しくて、マイペースでいさせてくれる現場だったんですよ。

Q ツッコミ役やボケ役などのポジションが決まっていたのですか?

宮崎
健ちゃんがツッコミのムードメーカーで、伊藤さんがボケのムードメーカーでした。現場では、歩ちゃんが投げてくるいろんなボケを、健ちゃんが全部キャッチしていましたよ!
桐谷
ほんまに、全部拾っていました!
桐谷
あと、ビジーとも呼ばれました。どんだけ忙しいねんっ! ほんまに、後からくるボケが多いんです。

Q 宮崎さんはどちらかというとツッコミ担当なのですか?

桐谷
あおいちゃんも、たいがいボケていましたよ。あおいちゃんと歩ちゃんの会話は面白過ぎます!
宮崎
歩ちゃんは、本当に面白くて! さっきも、ウーパールーパーってわたし知らないんですけど、ゼリー状のものでできているって言っていました。
桐谷
ゼリー状っていう歩ちゃんもボケていますけど、何でウーパールーパー知らんねん!
宮崎
熊みたいなのものかと思っていたんです……。
桐谷
全然違います! むしろ毛は一本もないです! ね? この子もボケているんです。

■宮崎あおいと伊藤歩が現場のお花畑的な存在?

■宮崎あおいと伊藤歩が現場のお花畑的な存在?

Q 劇中では、伊藤さんと宮崎さんは男性陣を明るくする存在でした。撮影現場でもそんな存在だったのでしょうか?

桐谷
そうですね(笑)。あおいちゃんと、歩ちゃんは、お花畑みたいな存在です。現場でも、二人にはほんまに支えてもらいました。すごく明るいし、楽しいし! 種田を演じた健吾は、現場で時々「僕なんて、やっぱりダメだ……」って自己嫌悪に入るんですよ。そういうときは、みんなで引っ張り上げていたよな!
宮崎
「大丈夫だよ~」ってみんなで励ましていました(笑)。
近藤
立ち位置を決めていたわけではないんですけど、勝手にこんなふうになっていましたね!

Q 現場でも、落ち込む高良さんを励ましていたとは、劇中の種田と芽衣子ちゃんのようですね。

宮崎
わたしは、種田がすごく好きなんです。頼りないところもあるけど、子犬みたいでかわいくて。実際、高良くんの方が年下なので、演じていてもかわいくて仕方がなかったですね! 何だか支えてあげたくて、そばにいてあげたくなっちゃう芽衣子の気持ちはよくわかりました。
伊藤
芽衣子は、本当にいい彼女だよね!
宮崎
わたしは、歩ちゃんが演じているアイちゃんが、しっかりしているし、言っていることもちゃんとしているので、すごく好きでした。好きなセリフもありました。「一瞬の気のゆるみで、 積み上げてきたものが全部パーになるかもってことを、 よーく考えてみ?」ってセリフ!
伊藤
確かに、ああいう強いセリフって、なかなか思っていても言えないよね!
桐谷
すみません……。おれたち二人が、心苦しくなってきたんですけど……。
宮崎
でも、あのセリフって恋愛以外にも通じると思います。この映画では恋愛だけど、友達同士も、一回裏切ったら、築き上げてきたものがすべて崩れてしまうものだと思う。すべてに置き換えられるから、すごく好きなセリフですね。

Q そのセリフは、アイちゃんの彼氏である加藤が約束をすっぽかしたとき、アイちゃんが加藤に放った言葉です。近藤さんは、どんな気持ちで聞きましたか?

近藤
自分は撮影のときに、伊藤さんのそのセリフを聞いたんですけど、背筋が凍って、ゾッとしました(一同爆笑)。

Q ビリーだけは、彼女がいなかったですね……。寂しくなかったですか?

桐谷
めっちゃ寂しかったですよ! ほんま! 女性の影すらなかったですからね。
宮崎&伊藤
大丈夫だよ、健ちゃん! 気にしない、気にしない!
桐谷
ほんま? ……ありがとう、みんな! ……って何やねん、コレ!

■大人の世界の厳しさを感じた瞬間

■大人の世界の厳しさを感じた瞬間

Q この映画は、大人の世界に一歩踏み出した若者たちが、現実にぶつかった葛藤(かっとう)を描いています。皆さんが、大人の世界の厳しさを感じたのはいつでしたか?

伊藤
わたしは13歳のときにこの世界に入ったんですけど、たぶんすごく早い時期に大人の世界に入ったので、現実的な壁を感じたことはあまりなかったです。
宮崎
わたしは4歳のときに子役としてこの世界に入ったんですけど、エキストラが長かったんです。スタッフさんでたまに、エキストラのわたしたちには冷たい人がいて、何でわたしたちには優しくしてくれないんだろうっていうのは、子ども心に感じましたね。でもみんなと同じように接してくれるスタッフさんは、今も昔もいらして、今でも、一人一人を名前でちゃんと呼んでいるスタッフさんを見ると温かい気持ちになります。
近藤
大人は、やりたいことを見つけなきゃって、勝手なことを言うじゃないですか。でも、夢ややりたいことが、職業につながっていないと、大人は認めない。夢=職業=金、みたいなことを言っている大人を見たときに、大人の世界のシビアさを感じましたね。
桐谷
おれは小さいころから、役者になりたかったんです。でも上京したときに、オーディションに落ちまくって。そのときに現実の厳しさを知りましたね。
伊藤
桐谷さんは高校生のとき有名になりたくて、”ケンズ ノンノ”っていう雑誌を作っていたんですよね?
桐谷
そうそう(笑)。自分が表紙のね! 高校のときは、21歳になったらポルシェに乗っていると思っていたのに、現実はママチャリに乗っていましたからね(笑)。厳しかったです(笑)!

Q 最後に、この映画に出演されて改めて感じたこと、気付かされたことを教えてください。

近藤
この映画は、たくさん悩んだ「あのころ」の話なんです。だから共感できるんですよね。どんなに苦しくても、絶対に挫折とは思わずにやってきたからこそ、今の自分があるんだってことに、改めて気付かされました。
桐谷
僕も近藤さんと同じですね。つらかったときも、自分を信じ続けることが大事だということを感じました。この映画を観た人たちが、少しでも同じ気持ちになってくれればうれしいです。
伊藤
自分がバンドをやっていたときの、熱い気持ちを思い出して、すごく共感しました。本気で頑張ったり、一生懸命に何かをしたりすることの大切さを実感しました。
宮崎
最近感じたのは、自分のことを「わたしなんか……」って思っているときでも、そんな自分を受け入れることが大事なんだと思うんです。芽衣子ちゃんも、前に進めないし、そんな自分のことを好きかどうかって彼女に聞いたら、そうじゃないかもしれない。でも、ありのままの自分を受け入れることで、その先に何か違うゴールが待っているんだと感じました。

取材・文:シネマトゥデイ 写真:吉岡希鼓斗

映画『ソラニン』は4月3日より新宿ピカデリーほかにて全国公開

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