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『クローズEXPLODE』東出昌大&勝地涼 単独インタビュー

2014年4月10日 更新

『クローズEXPLODE』東出昌大&勝地涼 単独インタビュー

あれから5年、待望の続編にして新シリーズとして誕生した『クローズEXPLODE』。『青い春』の豊田利晃監督がメガホンを取った本作では、前作の1か月後の鈴蘭高校を舞台に、空席になった“てっぺん”を目指して新世代のワルメンたちが激突する。そんな鈴蘭に転入してくる流れ者の3年生・鏑木旋風雄(かぶらぎかぜお)にふんした東出昌大と、旋風雄に共闘を持ち掛ける鈴蘭最小チームのリーダーで3年の小岐須健一(おぎすけんいち)役・勝地涼の対談が実現。濃密な撮影現場と作品への思い、それぞれの今後について熱く語った。

■「純粋な瞬間」を大切にする監督のこだわり

■「純粋な瞬間」を大切にする監督のこだわり

Q お二人はそれぞれのキャラクターをどんな人物だと思って演じられましたか?

勝地涼(以下、勝地)
ほかのグループが力で周りを制圧していく中、僕が演じた小岐須は本当に一緒にいたい仲間とだけつるんでいるんです。そんな姿が旋風雄に影響を与えると思ったので、そこは意識しました。
東出昌大(以下、東出)
旋風雄は、口では「ケンカなんかしたくねえ!」って言っているけど、(不良の巣窟のような)鈴蘭に来たってことは、何かの願望や寂しさを抱えているんだろうなと思って、そこは大切にしました。

Q 豊田監督とのお仕事はいかがでした?

勝地
撮影に入る前に、監督に自分の意見を伝えたんですが、任せてくれたところもあるし、ダメなときはダメとはっきり言われました。豊田さんは多くは語らない方ですが、現場で「旋風雄に『いつまでそんなふうなんだ!』って言うところだけはカッコよく決めてくれ!」と強く言われたのは印象に残っていますね。
東出
豊田監督は人間のナマっぽい姿が好きだし、僕が頭で芝居を考えているときには「もっとほぐせ」って言われたこともありました。劇中、バスの中で旋風雄が妹分に「こら、オマエ、口を縫うぞ!」って説教をするシーンがあるんですけど、本番でそのセリフを言ったら彼女に「どうやって?」って笑って返されて(笑)。OKが出た後で、その妹分を演じていた広瀬すずちゃんに「あれは、豊田監督から『言え』って言われたの?」って聞いたら「そうです」って答えたんですけど、豊田監督は芝居じゃなく、そういう人間味のあるところや純粋な瞬間が好きなんですよね。

■東出昌大は笑い上戸だった!?

■東出昌大は笑い上戸だった!?

Q 東出さんは、豊田監督から「ほかのキャストと群れるな」って言われたとか。

東出
そうですね。
勝地
そう言われていたからだろうね。東出くんが生真面目に旋風雄でいようとしていたから、いい意味でそれを裏切りたかった(笑)。
東出
監督に言われたことを、そのままやっていましたからね(笑)。
勝地
でも、素はそんな人じゃないと思ったから「部屋飲みしよう」と誘ってみて。
東出
初日の現場がグチャグチャだったから「共演者と監督を信じて頑張っていこう」と、気合を入れるようなつもりで飲んだんですよね。

Q 撮影の合間に、特に印象に残っているエピソードはありますか?

勝地
ボウリングに行ったりもしました。東出くんは真面目だけど、お酒を飲んだら面白いというのがわかって。とにかくずっと笑っていたよね(笑)。
東出
壊れたように(笑)。
勝地
役づくりや現場のストレスを一気に発散しちゃってるんじゃない? って思うぐらい笑い転げているし、ボウリングはヘタだし、面白い人だと思ったよ。それが一匹おおかみでありながらも仲間を求めている旋風雄と、小岐須との距離の縮まり方に似ていて、すごくよかったよね。
東出
小岐須もそうですけど、勝地くんは真面目になるときは急に真面目になる。勝地くんとの絡みのシーンで、僕がリテイクを出したときも「蜷川(幸雄)さんの演出に、腹をグッとつかんで、その痛みを怒りの表現に転化する方法があったよ」ってアドバイスをくれたり。現場でも、そういう小岐須と旋風雄との関係に近かったですね。

■新しい『クローズ』のキーワードは「ダサさ」

■新しい『クローズ』のキーワードは「ダサさ」

Q 今回の『クローズ』の魅力は何だと思いますか?

勝地
ダサさじゃないですか。さっき東出くんも言っていたけど、人間味とか。前2作の(小栗)旬くんが演じた滝谷源治も、ヤクザの父親との問題を抱えていたけど、今回の方が登場人物のバックボーンがしっかりある。人間がより緻密に描かれているところが、一番の魅力なのかなと思いました。
東出
僕も同じ意見です。原作や前2作の『クローズ』は“てっぺんを取る”ことがテーマになっていたけど、今回は「てっぺんなんて別に関係ない」ってやつもいれば、「てっぺんを取って何が変わるんだよ?」っていうやつもいる。それこそ藤原一(永山絢斗)のように「汚いやり方をしてでもはい上がっていくしかない」って思っているやつや、小岐須みたいに戦う前に友情を大切にしているやつもいて。でも、本当にみんな迷っているし、そのカッコ悪いところがいとおしくてたまんないですね。

■東出&勝地が目指す“てっぺん”

■東出&勝地が目指す“てっぺん”

Q お二人が目指す“てっぺん”は?

勝地
う~ん、てっぺんか……。
東出
真剣に考えてます?(笑)
勝地
以前は「誰々に負けたくない」とか、「こうなりたい」っていうのがあったけど、二十歳を過ぎてからは、そういう考え方はしなくなりました。役者が集まって飲んでいるときに、「そう言えば最近、仕事の話をしなくなったよね」って誰かが言ったんですよ。確かにその通りで。「周りがうんぬんではなく、それぞれが頑張ればいい」という考え方に変わっていったから、仕事に関しては“てっぺん”はないですね。ただ、プライベートでは自分の父親みたいになりたいかな。“てっぺん”とは違うかもしれないけど、子どもを作って、ちゃんと成長させられたら幸せですね。
東出
同じですね。仕事で“てっぺん”と言っても、身長でなら狙えるかもしれないけど(笑)、いろいろなジャンルがあるし、みんな違っていていいんじゃないですか。ただ僕も、生きていて幸せだと思いたいし、そうなるように頑張ろうと今は思っています。

Q 10年後にはどんな役者になっていたいですか?

勝地
笑いも取りたいし、シリアスなものもやりたいし、いろいろな引き出しのある役者になっていたい。でも、言いだしたらきりがないし、それこそ10年じゃ何ともならないんじゃないかな。それよりも27歳の自分にしかできない芝居があるだろうし、それを大切にしようと思っています。
東出
10年後というか、あと1、2年のうちにって考えると、十分難しい目標なんですけど、お金を払って観てくれたお客さんに「観にきてよかった」って言ってもらえるような俳優になりたいですね。それは芝居がただうまくなるということだけではなくて、「役を生きる」ことだったり、現場で集中しているときににじみ出る何かを積み重ねていくことだと思っていて。普段の生活からそういったものを練り上げて、いい役者になれればいいなと思っています。

取材・文:イソガイマサト 写真:金井尭子

映画『クローズEXPLODE』は4月12日より全国公開

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