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『ニセコイ』中条あやみ 単独インタビュー

2018年12月20日 更新

『ニセコイ』中条あやみ 単独インタビュー

古味直志による漫画を映画『兄に愛されすぎて困ってます』の河合勇人監督が実写映画化した『ニセコイ』に、中条あやみが出演している。彼女が演じた桐崎千棘はアメリカのギャング組織の一人娘。極道一家の「集英組」との抗争を避けるため、組長の一人息子である一条楽と恋人のフリをするハメになる……というはちゃめちゃな設定のラブコメディーだ。この映画でクールな印象をぶち破ってキュートに暴れる中条が、女優としての心境を語った。

■千棘は、わりと自分に近い役

■千棘は、わりと自分に近い役

Q 桐崎千棘は金髪に青い目と、外見がすでに突出したキャラで、「ゴリラ女」と呼ばれるような暴れん坊。ご自身も高校時代は元気な学生だったそうですが、原作を読んだときはどう思いましたか?

このキャラクターを自分が演じるって……イケるな! と思いました(笑)。さすがに「ゴリラ女」と呼ばれた記憶はありませんけど……いえ、言われたことがあるかも。ちょっと大雑把な部分があって、力も強めで。大阪出身なので、笑いながら「面白いやん!」と相手を叩くと痛がられ、ゴリラ女! と呼ばれました(笑)。

Q 千棘と共通点がありましたか?

似ていると思う点は多かったです。力が強いのもそうですが、日本人と外国人の血を引く人物なのも同じ。劇中、友達を想って自分は身を引こうとするのも、自分でもそうするなと思って。好きな人につんつんした態度をしちゃうのもそう。わりと共通点がありました。

■千棘を人間味のあるリアルなキャラクターに

■千棘を人間味のあるリアルなキャラクターに

Q 河合監督の演出のこだわりは?

学校のシーンは特に慎重にカット数をたくさん重ねていました。それぞれのキャラクターを活かし、高校生らしさが出るように意識されていたのかなと。わたしは千棘の表情は漫画を再現したかったので、絵コンテ代わりに原作漫画を撮影現場に持っていきました。それでもやはり原作の千棘とは顔が違うので、わたしらしいというか、わたしの思う千棘、人間味のあるリアルなキャラクターになったらいいなと思って。

Q 白目までむいて、原作通りでしたね?

いやいやいや、あれはマズイですよね。やっぱりマズイかも!? 応援してくださる方がいなくならないかな? と撮影しながら中島健人さんと話していました。じつは以前、白目をむくのがうまい人に憧れて練習していたんです。竹内力さんなんて、本当に上手。でも力さんの場合はアゴを引き、下から上目遣いになってする白目なので、あれはマネできない……と思ってやめました。

Q 千棘以外のキャラも、変顔はすごいことになっていますよね?

中島さんはもちろん、DAIGOさん演じるクロードもそう。島崎遥香さん演じる万里花は、お嬢さまなのにキレるときは博多弁というキャラクター。みんなそれぞれ濃いな~と思って見ていました。最初に中島さんとは、本番ではどういう顔をする? と話し合うことが多くて。それで、こういう顔をするよ! と見せてくれると、じゃあそれよりもっとヤバい顔をしよう……とお互いに燃え始めて。監督に「それはやり過ぎかな」と止められたりしました(笑)。他の雑誌の撮影でも変顔をやっていたので、その経験が役に立ちましたね。

■中島健人は「ニセコイ」マスター?

■中島健人は「ニセコイ」マスター?

Q 楽を演じた中島健人さんの印象は?

王子様というイメージそのままでした。ジェントルマンで、毎日、名言を生んでいました。例えば「ありがとう」と言うと「あやみちゃん、セクシー!」と返してくれました。天気のいい日に「太陽が気持ちいいね?」と言うと、「太陽もいいけど……月も見たいよね」ってどこかロマンティックに響く甘い言葉で返されて(笑)。そうしたセリフがナチュラルに出るので、そういう方なんだなって。外国人みたいですよね。

Q 最初に会ったときに、中島さんに呼び方を尋ねると「ケンティーと呼んで」と?

そうなんです。みんながケンティーと呼んでいるのは知っていて、確かにしっくりくる。彼は本当にプロです。一切疲れた顔を見せないし、弱音も吐かない。わたしがちょっと弱音を吐いてしまうと、「いや充分だよ、完璧!」とポジティブにさせてくれるんです。どうやったらあんな子に育つんだろう? と思いました!

Q 中島さんは「ニセコイ」マスターと呼ばれるほど、原作を研究していたとか?

そうなんです! 「ニセコイ」をダントツで愛してました。そのエピソードは何話のどのシーンと細かいところまで把握していました。「ここのシーンが好きなんだよね」と語ったり、「千棘はこういうキャラクターだから、もう少しこうしたら?」と提案してくれたり。撮影中は編集のことまで考えて、「いまここを撮ってるから、こういう雰囲気のほうがいいかも」と、大変な愛情を持って演じられていました。それで「この作品を愛してるね!」と言うと、「愛してるよ……」とまた甘い言葉が(笑)。中島さんが言うと全部そう聞こえちゃうだけかもしれませんけど。

■自分でない人を演じることに大きな責任を感じる

■自分でない人を演じることに大きな責任を感じる

Q 完成した映画を観た感想は?

最初はいつも自分の反省点ばかりを探してしまって内容が入ってこないんです。もちろん今回も反省点はありますが、われながらとても面白い映画だなと思って楽しんで観ました。反省するのがおかしくなってくるし、わたし……大丈夫かなこれ? と思って(笑)。

Q 漫画を実写にしたコメディー作品を撮り終えた感想としては?

笑いって、いままで経験したジャンルでいちばん難しいと思いました。コメディー映画は大変で、笑わせることができる俳優さんって改めてスゴイなと感じました。お笑い芸人の方もそうですが、頭の回転が速かったり、間を取るのが上手だったり、センスが必要だな~と。お笑いへの見方が変わった気がします。これまでは、真面目にちゃんと演じなきゃ! と思ってきたけれど、演じる上で、自分から笑いの要素を入れていくのもアリだなと。シリアスな映画をやっていても、ちょっとツッコミどころのある表現を入れると観る人も楽しくていいなって思いました。

Q 大阪出身だと、そうした表現が得意そうですが?

そういうの、本当にやめてください(笑)。大阪出身の人間が全員面白いわけじゃないんですよ! だめだめ、わたしは面白くない人なので。笑いを取るにはやはり、笑いに対するセンサーを常に張り巡らせていなくちゃいけないんです。いつ振られるかわからないし、言葉のチョイスに関するセンスとか、ワード力も大事。単語をたくさん知らないと、うまい言葉で返せないです。本当に難しいです。

Q 立て続けに主演作が公開されるなど、女優としての注目度が上がっている気がします。ご自身、お芝居へ向かう気持ちに変化はありますか?

毎回毎回、反省するところがたくさんあります。今回のわたし、イケてたな! と満足できることがないからこそ面白い仕事なのかな? と思うんです。ただ自分ではない人を演じることに大きな責任も感じます。いままでそのことを真面目に考えて、大事にしてきました。これまでも大切にしていきたいですけど、真面目に考え過ぎないようにしたいです。やはり、楽しんでいるのを見てもらえる方がいい。真面目に考えつつも、楽しめたらいいなあと思って演じています。
インタビューの冒頭、「『雪の華』を観てすぐに『ニセコイ』を観たので、そのギャップに驚きました」と伝えると、「それは衝撃かもしれないですね!」と笑った顔もキュートだった中条あやみ。かたや生まれつき病弱で恋への憧れをこじらせたピュアな女の子、かたや飛び蹴りで登場して“ゴリラ女”呼ばわりされるギャング組織の一人娘と、まさに真逆な役柄を楽し気に演じわけた姿はインパクト大。一足飛びに主演女優へと駆け上がるも、彼女自身はとてもナチュラルな空気をまとい、よく笑う女の子。発言からは生真面目に演技に取り組む姿勢も読み取れ、行く末がちょっと想像できない。

取材・文:浅見祥子 写真:尾藤能暢

映画『ニセコイ』は12月21日より全国公開

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