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『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』佐藤健 単独インタビュー

2019年7月29日 更新

『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』佐藤健 単独インタビュー

国民的ロールプレイングゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズのなかでも、親子3代にわたる魔王との激闘や、結婚相手をめぐる恋愛模様など、大河ドラマのような人生を体感できる作品として愛され続ける「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」。その劇的物語を軸に、『STAND BY ME ドラえもん』の山崎貴が総監督を務め、映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』を完成させた。そして、主人公リュカの声優に抜てきされたのが、自他ともにゲーム好きを認める俳優の佐藤健。筋金入りのドラクエ愛で本作に命を吹き込む。

■クオリティーの高さに成功を確信

■クオリティーの高さに成功を確信

Q 無類のゲーム好きを公言している佐藤さんだけに、今回のオファーは人一倍うれしかったのでは?

なんといっても「ドラクエ」。しかも僕が一番好きな「天空の花嫁」の映画化ですからね、それはもう特別な思いがありました。「ついにやるんだ!」と。オファーをいただいた日に、実際の映像を観させていただいたのですが、クオリティーがあまりにも高かったので、テンションがめちゃくちゃ上がりましたね。「これは絶対に面白くなる」とその時確信しました。

Q 『STAND BY ME ドラえもん』の山崎貴さんが総監督・脚本を務め、同作で共同監督を務めた八木竜一さんとアートディレクターの花房真さんがメガホンをとり、さらに監修は「ドラクエ」の生みの親・堀井雄二さんという豪華スタッフについてどんなお気持ちですか?

もうこれ以上ない最高の布陣だと思います! 物語も、子どもができて、代々受け継がれるものがあって、そして恋をして、結婚するという……ラストは映画オリジナルのちょっと驚くような内容になっていますが、とにかく大河ドラマを彷彿させる“激エモ”なシーンが満載! 誰もが感情移入できる普遍的な作品になっていると思いますね。

■リュカは誰もが思い描く理想の人物

■リュカは誰もが思い描く理想の人物

Q 本編で成長するリュカというキャラクターをどのように捉えて演じたのでしょうか。

確かに、少年だったリュカは成長し、花嫁と出会い、大切な家族ができて、どんどん守りたいものが増えていく。そこには物理的に流れていく時間もあるでしょうし、同時に心も体も成長していく過程もあるので、声の演技のなかで、彼が歩んだ人生を感じさせる工夫が必要だなと思いました。

Q リュカに共感する部分はありましたか?

魔物に立ち向かうのは怖いけれど、何かを成し遂げるために、誰かを守るために、勇気を出さなければならない。そこで己に打ち勝って、成長していくというリュカの姿には、みなさん共感するんじゃないですかね。とても普遍的な物語なので、この作品を観て、一歩踏み出す勇気や、きっかけになればいいなと思います。リュカはそういう役割を与えられている主人公なので、共感というよりも、むしろ、誰もが思い描く「理想の人物」と言えるかもしれませんね。

Q アクションシーンも多く、戦う時の力強い声は迫力がありました。

ドラマのシーンはプレスコ(編集部注:先に声を収録して画を作成する方式)でしたが、アクションシーンに関しては、映像を観ながら声を当てていくことが多かったので、リュカと心を一つにして演じました。基本、収録現場では、叫んでばかりいましたからね(笑)。

Q いつもクールな佐藤さんからは想像もできない雄叫びもありました。

あ、そうですか? 僕もこう見えて、普段からテンション上がること、結構ありますよ。ゲームに勝って、心のなかで密かにガッツポーズすることもありますし、みんなで協力して、何か1つのことをクリアできた時は、「ヨッシャ!」とか叫んだり、ハイタッチしたり、我を忘れて騒いだり。普通にはしゃいだりしていますので、安心してください(笑)。

■アニメが求める表現に行き着くまでが大変

■アニメが求める表現に行き着くまでが大変

Q ドラマのシーンはプレスコだったそうですが、難しくなかったですか?

プレスコの場合、画がない状態で先に芝居をするので、どうしても映画やドラマのような感じで演じてしまう。つまり、いかに芝居がからず、ナチュラルに聞こえるか、というやり方になってしまうのですが、このアニメで求められているのは、その逆。もう少し芝居がかった表現で、あえて抑揚を激しくしたり、強弱をつけたり。セリフだけで「このキャラクターがどういう感情なのか」をわかるように情報を詰め込むという表現に行き着くまでに結構、時間はかかりましたね。

Q この作品を通して「声」で演じることに対して、かなり意識が変わったのでは?

変わりましたね。普段は自分の「声」について、ここまで考えることがないので、今回の作品を通して、改めて「声だけで、人の心を動かす方法がこんなにもあるんだ」ということを学びました。もしかしたら、この先、逆に映画やドラマの芝居をしていく上で、生きることがあるかもしれないです。

Q 思わずグッときたシーンはありましたか?

リュカを演じた身としては、花嫁を選び、プロポーズするところですかね。やはり、物語を生きていくなかで、一番感情が動くシーンですから。ただ、一人の観客としては、あえて“全部”と言いたいです。もう、とにかく、最初から最後まで、テンション上がりまくり。“激エモ”シーンの連続なんです。そのなかでも特に……あ、ネタバレになるから、これ以上は言えませんが、とにかく全部です(笑)。

■全キャラが“激エモ”のかたまり!

■全キャラが“激エモ”のかたまり!

Q ビアンカ役の有村架純さんと、フローラ役の波瑠さん、花嫁候補お二人との共演はいかがでしたか?

僕は、1~2日早く入って、ある程度、プレスコのやり方に慣れたころに、お二人と合流しました。有村さんは、僕と同じように最初は戸惑っていましたが、僕はもう経験済みなので、「わかるよ、その気持ち」みたいな感じでフォローしたりしていました。逆に波瑠さんは、僕や有村さんと違って、あまり戸惑っている様子もなく、最初からすんなり入っていたように見えましたね。

Q ビアンカか、それともフローラか。劇中、リュカは2人のどちらかと結婚するわけですが、佐藤さんならどちらを選びますか?

ゲームの話で言えば、1回目はビアンカを選びました。でも、普通にストーリーに沿って、普通にゲームを進めていったら、素直にビアンカを選ぶと思いますけどね。少なくとも1回目は。2回目以降、「次はちょっとフローラを選んでみようか」というのならわかりますが、最初からフローラを選ぶ気持ちは僕にはわからない。でも、映画はゲームとはまた違ったテイストになっているので、果たしてどちらを選ぶか……。それも大きな楽しみの1つですよね。

Q リュカの父親・パパス役の山田孝之さんや幼なじみの王子ヘンリー役の坂口健太郎さんなど、他の共演者のみなさんの印象も教えてください。

山田さんのパパスぶり、すごく渋くてよかったですね。彼から全ての物語が始まるので、そこに力のある方がキャスティングされたのが、この映画にとって非常によかったんじゃないかなと思います。そのほかヘンリーやプサン(声:安田顕)、スラりん(声:山寺宏一)などもともと魅力的に描かれているキャラクターですが、映画を観て全部愛おしく感じてしまって、大好きになった。つまりそれが、このキャストで正解だったという証しなんじゃないかと。

Q 愛おしくて大好きなキャラクターが勢ぞろいした『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』を一言で表現するなら?

「全ゲーマーに捧げる激エモ大傑作」です! いままで観たどの映画よりもエモいです。僕、正直言って、泣きました。もう全キャラクターが激エモのかたまり!
激エモ大傑作……シニア層にもわかりやすく言えば「超感動大傑作」ということになるだろうか。一歩一歩の物語、一人一人のキャラクターに奥行きがあり、特にゲームにどっぷり浸った世代にとっては、その体験も重なって、なんとも言えない感情がわき出てくるのだろう。佐藤はまさにドンピシャの世代。この作品に対する並々ならぬ情熱がリュカに乗り移り、ゲームを知らない世代の心にも、きっと“激エモ”の扉を開かせることだろう。
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取材・文:坂田正樹 写真:上野裕二

映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』は8月2日より全国公開

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