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『シグナル100』橋本環奈 単独インタビュー

2020年1月20日 更新

『シグナル100』橋本環奈 単独インタビュー

担任教師によって自殺暗示催眠をかけられた36人の高校生たち。やってはいけない自殺発動のシグナルは全部で100。だが、その暗示を解く方法は、クラスメートの死のみ……。宮月新と近藤しぐれのベストセラーコミックを映画化した学園サバイバル『シグナル100』で、正義感あふれる主人公・樫村怜奈を演じた女優の橋本環奈。近年、コメディーから青春ドラマ、アクション巨編まで、幅広いジャンルで快進撃を続ける橋本が、キュートな笑顔を封印し、鬼気迫る演技で新境地に挑む。

■ぶっ飛んだ表現で人間の本質を描いた作品

■ぶっ飛んだ表現で人間の本質を描いた作品

Q 20歳の節目として、本作への出演を快諾されたそうですね。

実は1年前くらいに原作をたまたま読んでいたのですが、テーマがすごく面白くて。印象に残る作品だったので、お話をいただいたときは「来た!」という感じでした(笑)。

Q 一番惹かれたところはどこですか?

わたしたちSNS世代は、いろんな場面からいろんなことをインプットできる環境にいますが、『シグナル100』では制限された、とても理不尽な状況に置かれます。そんななかで、今の若者たちは、果たしてどんな行動をとるのか……そういった人間の心理というか、本質的な部分を描いているところが面白いなと思いました。通常、こういったスリラー系の作品だと、悪者の手によって「殺されていく」ものですが、自殺の催眠をかけられて、そのシグナルを発動させて「自ら命を絶っていく」という発想が奇抜ですよね。

Q 過激な内容だけに不安はありませんでしたか?

クラスメートとの平和な日常が一転、生きるか死ぬかの危険な状況に急展開するわけですが、それに対してのリアクションだったり、気持ちの持ち方だったり、演じるのはかなり難しいと思いました。だけど、だからこそ逆に、挑戦しがいがあるんじゃないかなと思いました。

Q バイオレンス描写もすごかったですが、躊躇(ちゅうちょ)はなかったですか?

全くありません!(笑)もともとバイオレンス系やホラー系が大好きで、過激描写もぜんぜんOKなので、楽しみでしかなかったです。

■恐怖と正義のバランスが難しかった

■恐怖と正義のバランスが難しかった

Q 橋本さんはご自身が演じた主人公・樫村怜奈をどんなキャラクターであると捉えましたか?

簡潔に言えば、誰もがたじろいでしまう絶望的な状況のなか、持ち前の行動力と芯の強さを発揮して、事件の解決に奔走する、とても正義感の強い女の子です。

Q 怜奈を演じるうえで難しかった点はなんですか?

こんな状況下に置かれたことがないので、自分がどんな反応を示すのか、想像でしかなかったのですが……。でも、何もしないより何かしらの行動をとる、という点に関しては、性格的に怜奈と似ているかなと思いましたね。ただ、すごく難しいのは、例えば、コーヒーを飲んだり、あくびをしたり、あるいはメガネを床に落としたり、そういう日常の行動のなかにも自殺催眠を発動させるシグナルが潜んでいるので、「怖い」という気持ちが怜奈にもあるということ。1ミリでも動いたら死んでしまうかもしれないという状況で、怜奈は恐怖に立ち向かっていくわけですが、その相反するメンタリティーというか、気持ちのバランスの取り方は相当悩みました。

Q どんなに勇気があっても、シグナルにかかったら戦わずして死ぬわけですからね。

設定では、どんな状況になっても「泣いてはいけない」というシグナルがあるので、わたしだけじゃなくて、クラスメート役のキャストも全員が悩んでいました。1人、また1人と死んでいくなか、心も体も疲弊して号泣したいところですが、泣いたら自殺催眠を発動させてしまうので、どうやって感情を爆発させればいいのか、怒りや悲しみをどう表現すればいいのか、それぞれが自分の役と向き合いながら模索していました。

■血を流しながらホームパーティー!?

■血を流しながらホームパーティー!?

Q 同世代がたくさん集まった撮影現場はどんな感じでしたか?

撮影の合間には、みんな血がタラッタラに流れているのに、めちゃくちゃ笑っていました(笑)。ロケ地は茨城県にある廃校だったのですが、周囲に何もなかったので、もはや山籠もり状態。だから、撮影が終わると自然にみんなで集まって、ホームパーティー気分でワイワイやっていました。おかげですごく仲良しになれました。

Q みなさんオン・オフを上手に切り替えて、撮影に臨んでいたんですね。

ただ、プロフェッシナルだなと思うこともあって。誰かが亡くなるシーンであったりとか見せ場のシーンであったりとか、とても大事なシーンの撮影に入る人には絶対に声をかけない、という暗黙のルールはあったんです。今回、オーディションで選ばれたキャストもたくさんいたのですが、それぞれお芝居の技術や考え方をしっかり持っていて、演技に対する意識の高い人が集まっていたなという印象を受けました。

Q たくさん刺激も受けましたか?

もう、毎日が刺激的でした。この映画は88分にギュッと凝縮されていますが、カットされたなかにクラスメートたちの素晴らしいお芝居がいっぱいあったので、いつか特典映像にしていただけたらうれしいです。

Q 映画にちなんで、橋本さんは「これが出たら、何かの合図」みたいなシグナルを持っていますか?

うーん、なんでしょう……あ、そうだ! 疲れが溜まって、リフレッシュしたいなぁと思ったとき、無性に掃除がしたくなります。すっきりピカーン! と綺麗になるのが大好きで。部屋が汚れているお友達がいたら「わたしを呼んで~!」みたいな。ホームパーティーなんかをやっても、終わった後のお掃除が一番楽しいかも(笑)。

■自分が予想できない未来がいい

■自分が予想できない未来がいい

Q 20歳を迎えた2019年は、橋本さんにとってどんな年でしたか?

この映画の撮影に入る前に20歳になったのですが、それからガラッと変わったというか、出会う人もすごく増えたし、作品数も一番多かったし、今まで生きてきたなかで、最も短く感じた1年間でした。大変な部分もたくさんありましたが、改めて思ったのは、作品によって演じる役柄が違っても、わたしのなかではどんどんつながっていくものなんだということ。作品が変わるごとに演じる役が入ったり抜けたりする……というよりも、蓄積されていく感覚の方が強い気がしたんです。日々、波のように変わっていくなかで、根本にあるものがだんだん形成されていく感覚というか……今回の怜奈という役も、自分をさらに成長させてくれたと思います。

Q 今年はどんな年になりそうですか?

今年は続編であったり、もともとやってきた役を演じたりすることが多くなりそうです。新たな役と出会うというよりは、今までやってきた役をまたトレースして磨いていく、そんな1年になりそうです。

Q 今年の目標や課題があったら教えてください。

これは毎年、目標として掲げているのですが、自分が予想できないような未来になっていたらいいな、と思います。みなさんの期待をいい意味で裏切っていきたいです。今年も、この目標は継続していきたいですね。

Q 素晴らしい目標ですね。以前よりも大人になったというか、少し貫禄も出てきましたね。

えー! か、貫禄!? それが出てきたらやばいですね(笑)。もうちょっとフレッシュさを求めて、今年もがんばりたいと思います!

取材・文:坂田正樹 写真:高野広美

映画『シグナル100』は1月24日より全国公開

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