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『一度死んでみた』広瀬すず 単独インタビュー

2020年3月12日 更新

『一度死んでみた』広瀬すず 単独インタビュー

ソフトバンク「白戸家」シリーズやau「三太郎」シリーズで知られるCMプランナー&ディレクターが結集し、豪華キャストで映画化した『一度死んでみた』。広瀬すずは髪をピンクに染めたデスメタルバンドのボーカル、七瀬を演じている。いまだ反抗期の七瀬のもとに、製薬会社社長の父が急死したとの知らせが。実は「2日間だけ死んじゃう薬」で仮死状態に陥っただけ。やがて新薬を巡る奮闘劇が始まる……。コメディーに挑戦した広瀬すずが語った。

■台本にはないサプライズ感

■台本にはないサプライズ感

Q 浜崎慎治監督が「台本の時点で面白かった」とおっしゃっていました。

台本、とても面白かったです。台本には何気ない瞬間も描かれていましたが、そこにキャストの方々がいろいろな要素を入れていて。それだけに、できた映画には台本とは違うサプライズ感がありました。

Q 監督のいう「台本が面白いだけに撮るのがプレッシャー」という感覚もありましたか?

それはどの作品でもわりとあります。しかも「デスメタルバンドのボーカル」と書いてあるけど、やったことないし……と(笑)。文章で読むと想像もつかない世界が色濃く広がりすぎて、大丈夫かな? と思っていました。

Q 以前「一人カラオケは好きだけど、人に聞かせるのはちょっと……」とおっしゃっていましたが、ライブシーンは楽しそうでしたね。

撮影中にだんだん楽しくなっちゃったんです。歌うまでは「下手なんですけど」とか言っていた私が、頭を振ったりして、テンションが上がりました。アフレコで声だけ録るときは緊張しましたね。ブースで聴かれてるという感じがあって。でもお客さんの前では緊張するより、恥ずかし~! という感じでした。でもお客さんがのってくださっていたので、会場に強い一体感がありました。

■コメディーは技術がないと難しい

■コメディーは技術がないと難しい

Q コメディーに挑戦した感想は?

やってみたかったので嬉しかったです。結果……観るのってラクなんだなと(笑)。技術がないといちばん難しいのはコメディーだろうと思いました。乱暴な言い方ですが、悲しむ表現は誰もが想像しやすいんじゃないかって。自分の感情が落ちる心の隙間に入り、気持ちを落とせばいい。それはどんどんコントロールできるようになります。喜ぶのもそうで、笑うという表現だけでプラスの心情が伝わりますよね。でもコメディーってテンポや技術が問題で、感情ではないんだなと。感情の伴うセリフでもテンポがよくないと面白くなかったりしますし。セリフを言うときの間や句読点のつけ方、そうしたことで声のトーンも変わります。天性のものを持つ方は素晴らしいですよね。今回はそういう方しかいなかったので、勉強しよう! と思いました。

Q 撮影現場は楽しかったですか?

コメディー演技に長けた方が多く、そうした方は普通にしゃべっているだけでやっぱり間が面白いんですよ。それでいてすべてのトークにオチがあるので、ふだんから笑いのハードルが高い撮影現場でした(笑)。それを見ているだけで楽しかったです、トークショーのようで。

■ふだんからファンキーでいよう

■ふだんからファンキーでいよう

Q 完成した映画を観た感想は?

竹中(直人)さんってなんであんな……序盤に出てきて最後まで強烈な印象が残るのだろう、ズルいな~! って思いました(笑)。現場でも竹中さんがサイコーすぎました。私が高校時代のシーンで使ったウイッグを被り、控室で踊り始めたんですよ! 今回は撮影でお会いしてない人もたくさんいて、映画を観て初めて、「あっエラ(池田エライザ)ちゃん、こんな感じだったんだ!」と思ったり。午前中はこの人が来て午後はこの人と、こんなにいろいろな人が? と思うくらいたくさんの人が出てくださって。一言二言しかセリフがないのに、わざわざ(撮影が行われた)静岡まで来ていただいた。贅沢な現場でした。

Q 広瀬さんは静岡ご出身ですね。

そう、地元だったんです! だから次の日がお昼からだったりすると実家に泊まったりしました。地元の親友に、撮影終わりそう! と迎えに来てもらい、そのまま親友の家に泊まったりして。めっちゃ楽しかったです。いつもは家が好きなので、地方のロケだと緊張してしまって。

Q 今回は衣裳も強烈でした。

この作品をきっかけに派手な色を着るようになりました。ふだんからファンキーでいよう! と黄色のニットや紫のパーカーを着たりしました。髪がピンクじゃないと似合わないんですよ。かなりガラが悪かったかもしれません(笑)。

Q ストレートに役から影響を受けるのですね。

いままでそうしたことはなかったんですけど、髪を染めたのが大きいのかもしれません。洋服が好きで、ふだんも髪型によって服のテイストがまったく変わるんです。この役で髪をピンクに染めたときも、たくさん洋服を買っちゃいました。撮影用のネイルもずっとそのまま、メタリックの濃いオレンジでした。

Q ライブシーンの革ジャンも印象的でした。

ライブシーンの衣裳は手づくりです。劇中で着ているスウェットも海外からわざわざ取り寄せたものでした。ギラッギラの黒スウェットに、ガラの悪いデニム、青いヒョウ柄のニットってオシャレだし、格好いいですよね。そうした衣裳を着ることで役に酔えるというか、人柄をつかみやすかった気がします。

■強烈な体験だった初舞台

■強烈な体験だった初舞台

Q 撮影はNHKの連続テレビ小説「なつぞら」の合間だったそうですね。

朝ドラの撮影がない時期に撮っていたんです。実は吉沢(亮)くんとしっかりと共演したのは、この作品が先でした。2か月ほど前に「なつぞら」のロケで少しだけご一緒して、そのあとにこの映画と1年弱一緒でした。勝手なイメージですが、もちろん爽やかさやキラキラしたものをお持ちですけど、『一度死んでみた』の役の方が吉沢くんに近い気がしています(笑)。

Q やはり朝ドラのヒロインは強烈な経験でしたか?

私自身はあまりそう思っていないのですが、そう言われすぎて、そうなのかな? と思っちゃっています(笑)。撮り方やテンポ、量は特殊かもしれませんが、ドラマは初めてではなかったので。楽しかったという感覚です。初めての舞台の方が強烈でした。

Q 初舞台で、お芝居への感覚や考え方がガラッと変わったとか?

野田(秀樹)さんのお芝居の感覚を隅から隅まで教えていただいたようでした。映像と違って舞台では、何から何まですべてお客さまに観られている状態です。セリフをしゃべらない時間も、ぼーっと立っているわけにはいかない。そうしたときの表現も教えていただき、なるほどな……と思うことが多かったです。セリフを言うときの音もそう。舞台はキレイな声を出せば出すほど切なくなったりする。映像なら声を小さくするセリフでも音を削らず、キレイに出した方が耳に残ると言われました。同じセリフが中盤と後半にあったら、まったく同じ音を出した方がいいとか。ステージの四角い空間をどう使うか? 1階で観ている方と2階で観ている方は感じることも見えるものも違うので、油断する瞬間が1ミリもない。本当に衝撃でした。

取材・文:浅見祥子 写真:フジイセイヤ

映画『一度死んでみた』は3月20日より全国公開

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