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『モンスターハンター』松坂桃李 単独インタビュー

2021年3月25日 更新

『モンスターハンター』松坂桃李 単独インタビュー

シリーズ累計販売本数6,600万本を超えるカプコンの大ヒットゲームを『バイオハザード』のポール・W・S・アンダーソン監督&ミラ・ジョヴォヴィッチ主演で実写化した映画『モンスターハンター』。日本語吹替版では、松坂桃李がミラ演じる主人公・アルテミスと出会うハンターの声優を務めた。ハンター役のトニー・ジャーが全編アドリブで演じた、和訳不可能な“モンハン語”をどのように吹き替えたのか? 原作ゲームシリーズのファンである松坂が、声優としての心構えを語った。

■セリフ全てがトニー・ジャーのアドリブ

■セリフ全てがトニー・ジャーのアドリブ

Q 今回声優をオファーされたのは、ゲーム版「モンスターハンター」のファンばかりとか。プレッシャーはありましたか?

もちろんあります。でもまずは最初に、どういうストーリーにするのだろう? と思ったんです。「モンスターハンター」って「ファイナルファンタジー」や「ゼルダの伝説」のようにエピソードを楽しみながらストーリーを含めて進めていくというより、みんなで一緒にモンスターを狩ることが主軸になっています。それを、映画というパッケージとして作品にするときにどうするのだろう? と思って。

Q トニー・ジャーが演じるハンター役と聞いたときはどう思われました?

ハンターと聞き、台本をいただいて読んだのですが、これは……吹き替えする必要があるのだろうか? トニーのままでいいのでは!? と(笑)。劇中でハンターが呪いのような言葉を発するのですが、全てトニーのアドリブらしくて。それらのセリフをカタカナに起こし、一言一句その通りに吹き替えていきました。

Q 普通のセリフより難しそうですが?

基本的に、口の動きの予測ができないので難しいです。言葉の意味もわからないわけで、こんな声の入れ方は経験がないですし。心情などは、トニーの表情からなんとなく読み取ろうとしていました。

Q アクションの吹き替えという意味で、特撮ドラマ「侍戦隊シンケンジャー」での経験が活きた場面も?

意識としてはありませんでしたが、特撮で培ったものが無意識に力になっていたかもしれません。例えば、腕を振り上げたり高いところから着地したりする動きによって、衝撃で吐く息や声は微妙に違います。それらを上手く組み合わせて動きに合わせ、口の動きにハマるように声を入れていく。それにはやはり慣れが必要になるので。

■最大で1日8時間、モンハンに熱中

■最大で1日8時間、モンハンに熱中

Q 「モンスターハンター」との出会いは?

きっかけは、ある俳優仲間で。モンハンをやっていると聞き、じゃあやってみようかと自分も始めたのが2~3年前です。初めてプレイしたのは「モンスターハンター:ワールド」でした。最初の印象としては自由度が高く、内容を把握するのに時間がかかるなと。「ファイナルファンタジーXIV」のオープンワールドのように、と言っても似ているわけではありませんが、武器やアイテムの種類が多いので。最初はゆっくりと、少しずつやっていきました。

Q お気に入りの武器は?

最初は大剣でしたが、片手剣になりました。理由は、格好いいから! 片手剣は使うのが難しいし、初心者は遠距離型の武器の方が進みやすいと思うんです。でもそこは頑張って、片手剣でやってました(笑)。

Q 最長で、1日にどれくらいの時間をモンハンに費やしたことがありますか?

最大で8時間くらいでしょうか、休憩を含めて。1日24時間ご飯を食べている最中もやり続けるとか1年365日必ずやる方もいるかもしれませんが、僕の場合は撮影に入ってしまうとどうしても手から離れてしまうので。ちょっとそこが、もどかしかったりします(笑)。

Q それだけ熱中する理由は?

獲物を狩るという行為が男心をくすぐるというか、人間の本能をかきたてる気がします。僕らはもともと、狩猟民族なわけですから。強力なモンスターを倒すにはより多くの時間を費やすことになりますが、倒したときの何とも言えない「ようやく倒した!」という手応えは大きいですね。

Q 狩ったモンスターの中で最も達成感が強かったのは?

ナルガクルガだったかな。あまりに強くて、全然倒せない! と9割方諦めかけていましたからね。攻撃の一発一発を喰らってしまって、しかも動きが速くて……。初めてクエスト成功したときは、うれしかったですね。

ゲームの世界に入る感覚を体感

ゲームの世界に入る感覚を体感

Q 今回の実写版に登場して感動したモンスターは?

ハンターがごろごろっと穴に転げ落ちそうになったときに、わ~っとたくさん出てくるモンスターで……ネルスキュラ! あの数を描写するのは大変だと思うんです。もちろん一体のモンスターをクオリティー高く描くのもそうでしょうが、同じ種類のモンスターに違う動きをさせるのは難しいだろうなと。手をかけているなぁと思って、そこに感動しました。

Q 監督のモンハン愛をどこに感じましたか?

モンスターのクオリティーなど、随所にあります。シリーズ化に期待を持たせる展開で、この一本に“一球入魂”しているわけじゃないように思えて。モンハンが好き過ぎて、一作撮っただけでは足りない! という思いが伝わってきたんですよね。

Q 次回作が製作されたら、実写版で観てみたいモンスターは?

ミラボレアス(「モンスターハンターワールド:アイスボーン」で昨秋、追加されたモンスター)ですかね。わりと最近アップデートで登場したモンスターで、ネットでビジュアルを見て、格好いいな! と思ったんです。

Q 原作ゲームファンとして、映画の見どころはなんだと思いますか?

生身の人間がモンスターと対峙したときはこうなる、それを自分がゲームの世界に入って体感できるところです。モンスターとの目線の交わし方、戦い方、敵がダメージを受けたときはそうか……こうなるよね? という感覚を是非観ていただきたいです。

Q ゲームを知らない観客にとっての見どころは?

未知の世界に迷い込み、そこの住人と触れ合いながら最終的に共闘するというわかりやすいストーリーです。だからゲームを知らなくてもまず画として楽しめるし、ファンタジー作品として充分に楽しんでいただけると思います。モンハンを知らないから楽しめない、ということは全然ありません。

ゲーム以外に熱中できるものは?

ゲーム以外に熱中できるものは?

Q モンハンのような作品は、少年の心をかきたてるのでしょうか?

心は幼少期からそのままで成長しているものですから。身体は成長しても、少年少女のような遊び心が消えないからこそ、「モンスターハンター」が映画化されたりするのかなと。大人になってアニメにハマるとかね。それで好きが高じて作り手側に回り、モンハンの実写化に携わったり。それはある種、小さい頃からの夢の実現かもしれないですね。

Q ゲーム以外に、1日8時間も熱中できるものはありますか?

動画配信サービスでしょうか。「梨泰院クラス」「ペーパー・ハウス」などが面白かったです。シリーズものって1話を観終えると、次の回が「10秒後に再生されます」等と表示されますよね。あれはズルい、押してしまいます(笑)。「よしっ、これが終わったらお風呂に入ろう」と思っているのに、「あともう1本だけ観るか……」となって、気づいたら時間が経っていたりするんです。

Q 一度ハマるとのめり込むタイプなのでしょうか?

一気にぐわ~っと行きます(笑)。それが、ガス抜きになっているのかもしれません。仕事と切り離して、いちユーザーになるのがストレス解消法というか、よい息抜きになっているように思いますね。
松坂が筋金入りのゲーム好きであることは、すでに多くの人が知る通り。仕事以外に熱中できるものを見つけてうまく息抜きできるからこそ、全身を投じるように役を自分のものにしていく過酷な俳優業が続けられるのかもしれない。いつかセットの片隅でうれしそうに小道具の弓を手にとり、格好よく構えをキメる松坂の姿を想像して楽しんだ。
(C) Constantin Film Verleih GmbH

取材・文:浅見祥子 写真:上野裕二

映画『モンスターハンター』は3月26日より全国公開

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