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『映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』松本まりか 単独インタビュー

2021年10月21日 更新

『映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』松本まりか 単独インタビュー

現在放送中のテレビアニメ「トロピカル~ジュ!プリキュア」の劇場版『映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』が公開を迎える。劇中で、プリキュアたちと共に物語を担う雪の王国のプリンセス・シャロンの声を担当するのが、女優の松本まりかだ。近年、エキセントリックな役柄で大ブレイクを果たしたこともあり、オファーを受けた際には「このようなピュアな作品に関われるなんて」と驚きと共に大きな喜びがあったという松本が、本作を通じて伝えたい思いと共に、自身の表現の原点を語った。

■純粋なエネルギーをもらえた

■純粋なエネルギーをもらえた

Q 作品に参加する前は『プリキュア』シリーズに対して、どんなイメージを持っていましたか?

シリーズが始まったときは、すでに自分自身は大きくなっていたのですが、女児向けアニメの歴史が変わったというか、衝撃を受けました。何か、新しい風が吹いたような感覚が印象に残っています。

Q そんな『プリキュア』シリーズからのオファーに、当初は驚きがあったとコメントされていましたが、そこにはどんな思いがあったのでしょうか?

最近、悪女などを演じることの多いわたしが、『プリキュア』のようなピュアな作品に関われるとは思っていなかったんです。子供たちがプリキュアを観る目って、すごく純粋で美しいじゃないですか。そんな、子供たちがキラキラした眼差しを向ける作品に携われることで、わたし自身も純粋なエネルギーをもらえるようで嬉しい気持ちになりました。

Q シャロンというプリンセスを演じるうえで、意識したことは?

シャロンは、やや謎めいた背景を持っているプリンセスだったので、多面的な部分はしっかり表現したいと思って演じました。

Q キラキラした子供たちが観る作品ということで、意識したことはありましたか?

こちらから子供たちに何かを与えたいというよりも、こちら側から子供たちの夢に触れにいきたいという思いが強かったですね。彼女たちのワクワクを汚したくないということもありますが、いろいろと吸収できるかもしれないという、期待が大きかったです。

■スタッフの『プリキュア』愛に感動!

■スタッフの『プリキュア』愛に感動!

Q アニメ「シュガシュガルーン」や「蒼穹のファフナー」シリーズなど、声優としての経験も豊富な松本さんですが『プリキュア』のアフレコ現場はいかがでしたか?

何よりも、スタッフの皆さんの『プリキュア』への愛が強いなと感じました。担当しているプロデューサーさんが『プリキュア』を作りたくて会社に入られたとおっしゃっていて「夢を叶えることができた」とお聞きして感動したんです。『プリキュア』を好きだった人が、今度は『プリキュア』を作って、また子供たちに夢を与えていくってすごいことですよね。歴史ある作品だからこその醍醐味だなと思いました。

Q 松本さんもデビュー当時から女優という仕事に愛を持って続けているという部分では、『プリキュア』の制作陣と共通している思いを感じます。

そうですね。わたしも演技が好きという気持ちは子供のころから抱いていて、その思いは誰からもおかされないものだと思ってやってきました。おばあちゃんになっても、ずっとその思いは守り続けたいし『プリキュア』に携わっている方々にも、そんな思いの強さを感じました。

■声優さんにはかなわない

■声優さんにはかなわない

Q 女優として大活躍されている松本さんにとって、声のお芝居は、どのように位置づけられるものなのでしょうか?

求められれば参加したいという気持ちは常に持っています。ただ、わたしは声優の皆さんをすごく尊敬しています。作品でご一緒するたびにいつも「かなわないな」という思いを持ってしまうので、やるからには、もっと上手になりたいという気持ちは強いです。

Q 声の演技と、芝居がリンクする部分はありますか?

今回は一人でのアフレコでしたが、プリキュア役の方々が先に声を入れてくださったので、掛け合いのような感じで、できました。芝居って相手がいることで成立するものだと思っているので、そういう部分では、本質は一緒だと思います。ただ、やっぱり声だけで役を表現するのは、かなりの技術が必要だなと実感しています。

Q では、声の演技の難しさは?

声に意識を集中させることですね。そこがうまくいかないと気持ちが乗らないので。もっともっと、人の心を揺さぶるような芝居ができるようになりたいです。鍛錬が必要ですね(笑)。

■女優スイッチが入った映画

■女優スイッチが入った映画

Q 今回の劇場版は、仲間の大切さや、強い思いを持つことで道が開けるといったメッセージが感じられる作品でした。松本さんも、演技のお仕事に対して強い思いを感じた出来事はありましたか?

頻繁にあるのですが、大きなきっかけとなったのは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』という映画を観たときですね。わたしが女優を始めてすぐに出会った作品です。当時はまだ15歳ぐらいだったのですが、衝撃を受けました。主演のビョークさんは、わたしよりずっと年齢が上なのに「こんなにピュアな魂を持つ人間がいるのか……なんて美しいんだ」とおののいて、「こんな芝居ができる女優になりたい」と強く思ったんです。まだまだ、今の自分もたどり着けないほどの衝撃でしたが、あそこに行き着くための修行なんだと思って、演技に向き合っています。

Q 15歳にして、ものすごい感受性をお持ちだったんですね。

幼少期から多感な子だったと思います。ディズニーアニメの『眠れる森の美女』なども(ビデオテープが)擦り切れるぐらい観ていて、物語に登場するマレフィセントのセリフなんて、一言一句、同じタイミングで言えるぐらい。子供のころはそういう遊びをよくしていました。もちろん「美少女戦士セーラームーン」のようなキラキラしたアニメも観ていましたが、一方でシリアスなものなんかも観ていました。普通は「子供にはわからない」といって見せてもらえませんよね。でもわたしは子供のころから、「子供に見せたってわからない」という大人の考えは、違うと思っていました。子供もちゃんと真実を見る目を持っているんですよね。だから決して、子供だからと侮ってはいけない。わたしは絶対に上から接することはしないようにしています。

Q そういった思いも込めてシャロンを演じたんですね。

そうですね。子供たちに何かを教えてあげる、なんて目線ではなかったです。わたしには子供はいませんが『プリキュア』を観てくれる彼ら、彼女らと、しっかり同じ目線でシャロンを演じたつもりです。背伸びはしていないと思います。
おっとりとした口調ながらも作品への熱意や、俳優という仕事への思いを、力強い言葉で語った松本まりか。近年、ドラスティックな役柄で作品に強いインパクトを与えてきた彼女だが、話を聞いていると、その根底には、多感な時期にさまざまな作品に触れたことで培ってきた感受性があるのではないのかと腑に落ちた。本作で演じたシャロンも、謎が多く一筋縄ではいかないキャラクター。松本ならではと思わせる多面的なプリンセスは、子供たちの目にどう映るのか楽しみだ。
ヘアメイク:渡辺了仁(carillon)/スタイリスト:後藤仁子
© 2021 映画トロピカル~ジュ!プリキュア製作委員会

取材・文:磯部正和 写真:高野広美

『映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』は10月23日より全国公開

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