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それでもボクはやってない (2007)

監督
周防正行
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4.19 / 評価:2,275件

解説

『Shall We ダンス?』の周防正行監督が、11年ぶりにメガホンを取った本格的な社会派ドラマ。電車で痴漢に間違えられた青年が、“裁判”で自分の無実を訴える姿を、日本の裁判制度の問題点を浮き彫りにしつつ描く。ハリウッド映画『硫黄島からの手紙』に出演し、世界的に注目を集めた加瀬亮が、本作で初主演を果たす。主人公を弁護する弁護士には、瀬戸朝香、役所広司らがふんする。3年もの歳月をかけて“裁判”について取材した監督が、現代の日本における“裁判”の現実を突きつける。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

フリーターの金子徹平(加瀬亮)は、通勤ラッシュの電車で女子中学生から「痴漢したでしょ」と訴えられてしまう。まったく身に覚えのない金子は、話せば分かってもらえると思い、大人しく駅の事務室に行った。しかし、「ボクはやってない!」という訴えもむなしく、そのまま警察に連行されてしまう。その日から、留置所暮らしを余儀なくされた金子の無実を訴える戦いが始まった。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2006-2007 フジテレビジョン アルタミラピクチャーズ 東宝
(C)2006-2007 フジテレビジョン アルタミラピクチャーズ 東宝

「それでもボクはやってない」周防ブランドにまやかしナシ

 邦画活況と言われつつ、内実は、姉歯被告の耐震強度偽装事件並の基盤に問題アリの作品が乱立している昨今。そんな中に11年ぶりの新作を発表した周防正行監督の始動を、心の奥底から歓迎したい。修行僧の青春物語「ファンシイダンス」、学生相撲を舞台にした「シコふんじゃった。」、そしてくたびれた中年サラリーマンが社交ダンスと出会い生気を取り戻す「Shall we ダンス?」と、独自の視点で日本社会の今を切り取ってきた周防監督が新作で挑んだのは、“痴漢”という観客の本能をダイレクトに刺激する事件を入り口に、日本の裁判制度の在り方に疑問を投げかけた問題作だ。

 今までの作品同様、個性的なキャラクターを配して語られる刑事事件のハウ・トゥものとして為になるだけでなく、サスペンス映画の醍醐味もたっぷり。痴漢で現行犯逮捕された徹平(加瀬亮)は果たして黒か白か。時として見せる徹平の悪態や、目撃者の証言が異なり観客を巧みに惑わしていく。ハッキリ言って後味はよくないが、だからこそ観賞後にジワジワと、周防監督が投げかけた問題の大きさを己の事のように考えさせられる。このエンタメ+社会派の絶妙なバランス。何より脚本という映画の基盤がしっかり。周防ブランドにまやかしナシ。(中山治美)

映画.com(外部リンク)

2007年1月18日 更新

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