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わがチーム、墜落事故からの復活 (2018)

NOSSA CHAPE

監督
マイケル・ジンバリスト
ジェフ・ジンバリスト
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3.83 / 評価:24件

あなたに翼は残されている

  • dr.hawk さん
  • 2018年7月13日 1時51分
  • 閲覧数 260
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    • 総合評価
    • ★★★★★

2018.7.12 字幕 MOVIX京都


2018年のブラジルのドキュメンタリー映画
実在するブラジルのサッカーチーム「シャペコエンセ」が遭遇した2016年の飛行機墜落事故からクラブが再生する過程を描いている
監督&脚本はマイケル・ジンバリスト&ジェフ・ジンバリスト


事故は2016年11月28日に起こった
南米大陸選手権コパ・スダメリカーナの決勝ファーストレグへと向かうブラジル1部リーグ・セリエAのサッカーチーム「シャペコエンセ」は、チャーター機にてコロンビアへ向かっていた

だがコロンビアのメデジン郊外にて墜落、監督、選手、解説者ら乗客77人中71人が命を落とした

生き残った3人の選手を中心に市長自らが率先してチーム再生を促し、2週間後に控えた新シーズンに向けて動き出す


原題は『Nossa Chape Our Team』直訳すると「わたしたち皆のシャペコエンセ」


チームはクラブのものなのか、あるいは地域に根ざしたコミュニティの一部なのか

再生に賭けるチームはツギハギだらけの中で「幻のチーム」と比較されていく

ナショナルフラッグを戦っていくチームと再結成2週間のチームを比べるのは酷な話だが、市民は希望を投影させるかのようにチームに亡きチームメイトを重ねていく


比べられることはわかっていたとは言え、「追悼の意」では選手は動けず、「ただ勝利のために」とノイズをなくしたことでようやく初勝利が訪れた

比較対象は国際試合で決勝まで残るチーム
さすがに即席チームに課せるべきものではない


物語は再生の光と影を描き、チーム存続に必要なのは「サポーター」なのか「勝利」なのかを突きつけてくる

敗戦による落胆、そこから生まれる閉塞感は勝利でしか拭えない
この短期間であれば、リハビリ中の生存者がピッチに立てるはずもなかった


家族たちは忘れて欲しくないと願いながら、時が風化させていくことも知っている

選手は勝つしかチームを存続することができず、生存者はピッチに立てない以上、イメージキャラクターとして扮するしかない

そこに生じる葛藤は軋轢でもありながら、それが融和するにはかなりの時間を要するのである


最終的には遺族の不満が訴訟へと発展する
それに対するチームサイドは抗戦に踏み切らざるを得ず、チームが存続しないと保障できるわけもなく、存続のためには資金が必要となる

このチームがなりふり構ってられないのは当然で、だが広告塔に甘んじるためにリハビリをしているわけではないことは誰もがわかっている


航空会社の破産により保障が潰えたのが不幸であるが、このチャーター機を選んだのもクラブなので矛先が向くのは仕方のないことであろう


事故を起こしたLMI2933便は公称の航続距離を超えた距離を飛び、燃料切れと電気系統トラブルの異常により消息を絶った

他の飛行機の燃料切れによる緊急着陸のために空中待機を余儀なくされており、慢性的な問題が露見した瞬間でもあった


この作品はドキュメンタリーなのだが、無理やり感動に寄せることはない
淡々と物語が進み、基本インタビューと回想映像で構成されている

事故と追悼をピークに、再生と問題提起、焦燥と疑念の中で、果たせなかったコロンビア戦へと向かうのだが、101分という長さ以上の疲労感が押し寄せる

映像の悲愴さよりも、言葉の応酬が凄まじく、歓喜と落胆のバランスはあまり良いとは言えない

感動を呼び込むというよりは、華やかな復活の裏側で忘れ去られそうなことを遺族目線で描いているとも言える


いずれにせよ、W杯に併せるように公開されているが、落差が激しすぎて直視できない印象がある

サッカーが盛り上がっているから、サッカー映画を見よう、という層は確実に下を向いて帰路に着くだろう

事故からまだ2年、彼らはピッチに姿を現したもののプレーにまでは至っていない(映画の中での話)

救いがないと感じるのは、「サッカーを断念させなかった神の意思」に対して、まだ答えを出せていないからである

もう少し時間を経て、彼らが機能してから作っても良かったのではないだろうか

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 勇敢
  • 絶望的
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