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アポカリプト (2006)

APOCALYPTO

監督
メル・ギブソン
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3.62 / 評価:614件

解説

マヤ文明後期の中央アメリカのジャングルを舞台に、妻子や仲間とともに平和に暮らしていた青年の過酷な運命を描くアドベンチャー・スリラー。監督は『パッション』で世界中に衝撃を与えたメル・ギブソン。映画経験のない若者たちをキャスティングし、全編マヤ語で前人未踏の映像世界を作り上げる。ジャングルの生活をワイルドに描いた前半から一転、敵から逃れようと、ひたすら走り続ける主人公の青年の、手に汗握る奮闘に注目。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

誇り高き狩猟民族の血を受け継ぐジャガー・パウ(ルディ・ヤングブラッド)は、妻や仲間とともに平和な暮らしを送っていた。ところが、ある日、マヤ帝国の傭兵による襲撃を受け、仲間とともに都会に連れ去られてしまう。そこで彼らを待ち受けていたのは、干ばつを鎮めるためにいけにえを捧げる儀式だった。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) Icon Distribution, Inc., All rights reserved Photo :Andrew Cooper, SMPSP
(C) Icon Distribution, Inc., All rights reserved Photo :Andrew Cooper, SMPSP

「アポカリプト」「手に汗握る」という常套句を体感できる痛烈なアクション映画

 時代は16世紀初頭。舞台はユカタン半島。使われる言語はマヤ語。背景として描かれるのは帝国の自壊。スター俳優は皆無。

 こんなふうに紹介すると、歴史ドキュメンタリーのような映画を連想する人がいるかもしれない。外れ。「アポカリプト」の主人公は豪快に戦う。風のように走り、豹のように跳び、無尽蔵の体力と気力で生き延びる。

 ジャガー・パウ(ルディ・ヤングブラッド)は若い戦士だ。といっても、通常は深い森の村で静かに暮らしている。生活の大半は狩りと子づくりに割かれているようだ。

 その村がマヤ帝国の軍隊に蹂躙される。殺戮と強姦の嵐が襲う。生き残った者は奴隷や生贄として都へ連れ去られる。帝国の暴虐は容赦ない。人命は鴻毛よりも軽い。

 大まかに分ければ、ここまでが第1部と第2部だ。凄惨な戦闘は展開されるが、残酷描写は意外に少ない。心理描写はもちろん最小限だ。一方で、アクションの速度と密度が際立つ。古典的なカットバックを多用しつつ、監督のメル・ギブソンは、荒々しい自然と男たちの強靭な肉体を直交させる。

 導火線はしだいに太くなる。いや、爆薬が破裂して、さらに大きな爆薬の炸裂を促すと見たほうがよいか。第3部に用意された森の障害物競走は、非常に見ごたえがある。なによりも、実際にクロスカントリーの選手だったヤングブラッドの身体能力が飛び抜けて高い。第二に、森の自然がアクションによく練り込まれている。地形も獣も植物も、活劇のスパイスとしてフル活用される。しかも、デュオで迫る悪役の危なさが尋常ではない。たぶんこれは、ギブソンのパラノイア的特質がプラスの面に出た結果だろう。「手に汗握る」という常套句をここまでリアルに体感できる映画は、近ごろでは珍しい。(芝山幹郎)

映画.com(外部リンク)

2007年6月14日 更新

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