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エクス・マキナ (2015)

EX MACHINA

監督
アレックス・ガーランド
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3.62 / 評価:1,343件

解説

『28日後...』などの脚本家として知られるアレックス・ガーランドが映画初監督を務め、第88回アカデミー賞視覚効果賞を受賞したSFスリラー。人間と人工知能が繰り広げる駆け引きを、限られた登場人物と舞台設定や目を引くビジュアルで活写する。美貌の女性型ロボットのエヴァを、『リリーのすべて』でオスカーに輝いたアリシア・ヴィキャンデルが好演。IT企業の社員と社長には、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のドーナル・グリーソンとオスカー・アイザックがふんする。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

検索エンジン世界最大手のブルーブック社に勤めるプログラマーのケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、ほとんど人前に姿を見せない社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する山荘に招かれる。人里離れた山間の別荘を訪ねると、女性型ロボットのエヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)が姿を現す。そこでケイレブは、エヴァに搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能の実験に手を貸すことになるが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)Universal Pictures
(C)Universal Pictures

「エクス・マキナ」美しい異種恋愛サスペンスの奥に、名作SFの神髄が透ける秀作

 人工知能(AI)を搭載した女性型ロボットと青年の恋。実にオタク心をくすぐるプロットではないか。VFXで精緻に描かれた彼女=エヴァはもちろん、モダンな建物、周りを囲む大自然など、映るものすべてが美しい。しかし、うっとりと恋に落ちるのは軽率だ。本作には大いなる「企み」がある。

 大手IT企業で働くケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、滅多に姿を見せないCEOが所有する山間の別荘に招かれる。そこは、天才にして大富豪のネイサン(オスカー・アイザック)が極秘にAIロボット・エヴァを開発する施設だった。ネイサンからAIの完成度をテストするよう頼まれたケイレブは、日増しにエヴァに惹かれていく。

 体の一部がメッシュ状の皮膚で覆われ透けて見えるエヴァの造形は、本年度アカデミー賞で視覚効果賞を獲得。ただし、幼少期からバレエを習ってきたアリシア・ビカンダーによる完璧な身体制御が、半分CGで描かれたエヴァの実在感に説得力を持たせ、オスカー受賞に貢献したことは疑いようがない。

 本作で監督デビューを飾るアレックス・ガーランドは、2000年に最初の小説「ザ・ビーチ」を発表。これがダニー・ボイル監督により映画化されて以降、「28日後...」「サンシャイン2057」といったボイル監督作で脚本を担当してきた。やはり自らシナリオを書いた本作では、メアリ・シェリーの「フランケンシュタイン」、やフィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」といった名作SFのエッセンスを借用しつつ、無駄を廃したミニマルなストーリーをスタイリッシュな映像で効果的に描いている。

 原題「Ex Machina」は、「機械仕掛けの神」を意味するラテン語「デウス・エクス・マキナ」から。英語のexには「元~」という意味があるので、題は「元・機械」とも読める。機械から進化するAIの次の段階は、人間か、それとも神か。作中の企みに裏切られたと感じる向きもあろうが、解釈の余地を残すラストはある種の希望だと信じたい。(高森郁哉)

映画.com(外部リンク)

2016年6月2日 更新

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