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オオカミは嘘をつく (2013)

BIG BAD WOLVES

監督
アハロン・ケシャレス
ナヴォット・パプシャド
  • みたいムービー 69
  • みたログ 318

2.78 / 評価:240件

解説

クエンティン・タランティーノが絶賛したことで注目を浴びた、イスラエル発のサスペンススリラー。少女暴行事件の容疑者、彼への復讐(ふくしゅう)を画策する被害者の父、強引な手口で事件を調べる刑事の思惑や感情が交錯しながら、事件の思わぬ真実が浮かび上がる。メガホンを取るのは『ザ・マッドネス 狂乱の森』のアハロン・ケシャレスとナヴォット・パプシャド。『フットノート』のリオル・アシュケナージを筆頭に、イスラエルの実力派俳優が出演する。二転三転する展開に加え、鮮烈なバイオレンス描写に目を奪われる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

イスラエルのとある森で、少女がむごたらしく暴行された果てに殺される事件が起きる。その容疑者として浮かび上がったのは、中学校で宗教学を教えているドロール(ロテム・ケイナン)。刑事のミッキ(リオル・アシュケナージ)が責任者として彼の尋問にあたるものの、証拠がなく釈放されてしまう。さらに行き過ぎた取り調べが何者かによって録画され、動画サイトにアップされてしまったことでミッキは交通課に異動になってしまう。しかし、ミッキはドロールが犯人だと思っていて……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2013 Catch BBW the Film, Limited Partnership. All Rights Reserved.
(C)2013 Catch BBW the Film, Limited Partnership. All Rights Reserved.

「オオカミは嘘をつく」陰惨な復讐サスペンスに宿ったクールな知性とバランス感覚

 ハラハラ&ドキドキのスリルを味わわせてくれるサスペンス映画は、数あるジャンルの中でも比較的“万人向け”と言えるが、このイスラエルから届いた異色作はそうではない。あどけない少女が廃屋での隠れんぼ中に忽然と消え、後日、無惨な首なし死体となって発見される。子供が傷つけられる描写は一切ないが、このおどろおどろしい導入部だけで「ノーサンキュー」という人は少なくないだろう。

 まもなく容疑者として浮上した気弱な教師は、被害者の父親によって地下室に拉致(らち)され、悪徳刑事も絡んでの拷問劇になだれ込んでいく。いくら脅され、工具を使って痛めつけられても教師は無実を訴え続ける。この教師は本当に犯人なのか、父親のほうがよっぽど凶暴ではないかと、観ているこちらは居心地の悪い不安に苛まれることになる。しかし目を背けるのはまだ早い。中盤以降には、さらに予想を超えた惨劇が待ち受けているのだから!

 こう書くと悪趣味で粗削りなバイオレンス映画かと思う人もいるだろうが、まったくそうではない。登場人物3人が密室内で繰り広げる心理戦や拷問はぐんぐん過激にエスカレートしていくが、その裏には新鋭監督コンビの冷徹でしたたかな計算がある。首なし死体をめぐる陰惨な導入部も、復讐に燃える父親の怒りがマックスに達する理由付けになっているし、凄みあるブラックユーモアも随所にちりばめられている。馬に乗った流れ者風のアラブ人を登場させ、イスラエル人の偏見を風刺する余裕もちらり。決して勢いまかせではない知性とバランス感覚が全編を支えている。

 やがてクライマックスに突入した映画は驚愕レベルのどんでん返しを炸裂させ、ハッピーエンドとはほど遠いラスト・シーンへと突き進む。おそらく全貌を見届けた観客は、究極の後味の悪さを噛み締めると同時に、登場人物たちがたどる運命に奇妙な納得感を覚えるに違いない。そんな“不気味なのに、鮮やか!”な締めくくり方にも、作り手のゾッとするほどクールなバランス感覚が息づいている。(高橋諭治)

映画.com(外部リンク)

2014年11月20日 更新

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