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カルテル・ランド (2015)

CARTEL LAND

監督
マシュー・ハイネマン
  • みたいムービー 133
  • みたログ 155

3.79 / 評価:104件

正義という名の悪

  • tri***** さん
  • 2016年12月23日 23時32分
  • 閲覧数 593
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

すべての人が「正義」を口にして、客観的には「悪」を働きます。

メキシコの麻薬カルテルで、麻薬を作っている人間は、自分たちは貧しく、先進国の人間と同じような生活をするために、仕方なく麻薬を作って売っているという。だからこれは「正義」なんだと。

アメリカ、アリゾナの国境地帯では、不法移民に仕事を奪われた自警団員が、警察の真似事をしています。ただ実際には学歴がなく、麻薬とアルコール中毒のオッサンだから仕事につけないだけで、不法移民のせいで仕事がもらえないわけじゃないのだが。
そういう仕事を奪ったメキシコ人は、不法に入国し、アメリカに税金を払わず、麻薬を売りつける「悪」だと決めつけ、警察の代わりに法を執行するのは権利であり、正義だと主張します。なんだか滑稽です。

麻薬カルテルが支配する地域で医者をしている男は、軍や警察、中央政府を信じることができず、自分たちの町をカルテルから守るため武器を取り、仲間を集め、戦いを始めます。。
カルテルは町の人間にみかじめ料を要求し、拒否した人間を殺したり、その家族を強姦したりしたからです。
やがて自警団組織は拡大し、カルテルとの戦い=正義の回復は、新しいカルテルの誕生=悪になってしまいます。
自警団がカルテルとの戦いという名目で、強盗、監禁、暴行、虐待、拷問を繰り返すようになってしまったのです。

正義を口にしても、結局最後は悪になってしまう。
特に正義と暴力が合わさり、統制が効かなくなったら。。。

さらに正義を目的とした自警団の資金や武器の入手先が悪からだったという、前提としての正義すら無かったことに愕然してしまう。

日本もここで描かれるアメリカやメキシコと変わらないと思います。
権力と無法者は、常に互いを利用しあっているという意味で。
終盤、自警団は不法な武装集団から地域防衛軍という名の国家権力に組み込まれます。
政府公認のギャングの誕生です。
これは日本の治安維持に暴力団が活躍した歴史からも、どこの国でも、いつの時代でも起こることなのかと。

正義が正義のままでいられるのはフィクションの中だけなのでしょうか?

とりあえず「正義」をかんたんに口にする人間には注意が必要です。

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  • 知的
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