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クリード チャンプを継ぐ男 (2015)

CREED

監督
ライアン・クーグラー
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  • みたログ 3,138

4.09 / 評価:2,534件

クリード 鶏を掴む男!!!

  • Sryuichiro さん
  • 2015年12月14日 23時00分
  • 閲覧数 4700
  • 役立ち度 39
    • 総合評価
    • ★★★★★

1976年から続くみんな大好き『ロッキー』シリーズ
がアポロの息子を主人公に迎え、『クリード』となって
生まれ変わったボクシング・ドラマ!

監督、脚本はライアン・クーグラー。
主人公アドニス・クリードにマイケル・B・ジョーダン。

二人はクーグラー監督の前作にして初監督作品『フルー
トベール駅で』に続いてタッグを組んでいる。(こちら
も静かなる傑作!)

「僕の撮りたい映画は、自分にとってとりわけ個人的な
題材で…一晩中頭から離れないような疑問を扱ったもの
なんだ」 --ライアン・クーグラー

クーグラーは86年生まれの29歳。アスリート気質で
タフな父親がよく観せてくれたのがロッキーシリーズだ
ったそうです。特に『ロッキー2』はお父さんのお気に
入りで、あるシーンになるといつも泣いて歓ぶ熱狂ぶり
だったと言います。そのシーンとは…

病院の礼拝堂で、昏睡状態のエイドリアンを想うあまり
闘う気力を失くしたロッキーをトレーナーのミッキーが
励ます場面。良いシーンです。でもなぜ?なぜ父はこの
場面で涙するのか?大人になってクーグラーはその理由
を知ることになります。

祖母はクーグラーが生まれる前、お父さんが18の頃に
亡くなったようです。10年間、癌と闘い、自宅の床で
最期を迎えようとしています。看病を続けてきた息子が
母にしてやれることといえば一緒にテレビを観るぐらい
のもの。その時、最後に母と自分を繋いでくれた特別な
1本こそ『ロッキー2』だったのです。

【『クリード』の誕生】
『フルートベール駅で』の製作に取りかかった頃、お父
さんが難病と診断されます。原因不明の筋肉が萎縮して
いく病気です。会う度に目に見えて病状は進行していっ
たそうです。最高にタフで強いと思っていた父がその力
を失っていく。自尊心が邪魔して杖を使わないから、ト
イレに行くにも肩を貸さなくてはいけない…ずっと世話
されてきたのに、今は自分が世話をしてる…そんな状況
で気が滅入る中、クーグラーの中にひとつの疑問が湧き
上がります。

【本作のテーマ 「男らしさ」とは何か?】
幼い頃、走り回る自分を片手で捕まえて軽々持ち上げた
ような力のことか?その力を失えばその人はその人では
なくなるのか?もしも……父に起きている事と同じ事が
ヒーローに起きたとしたら?

こうして『クリード』のアイデアが生まれたのです。

【新ヒロイン・ビアンカ】
テッサ・トンプソンが演じるビアンカは進行性の失聴と
いう「タイムリミット」を抱えながらもミュージシャン
として生きる強い女性。
短い選手生命の中で闘うスポーツ選手に通じるこの設定
には、監督の婚約者が手話通訳をしていることや彼女の
姉妹が進行性の失聴を患っていることが反映されている
のだそうです。

【三つ巴のアイデンティティー】
今回のテーマの一つが、各々のアイデンティティー。
アドニス・・・自分が何者なのか悩み、その答えを掴む
ためにリングに向っていく。
ロッキー・・・かつて自分を自分たらしめていた全て、
エイドリアン、アポロ、ポーリー、ボクシングさえも失
って 、ただ時が過ぎ行くのを待つのみ。
ビアンカ・・・自分のしたいこと、なりたいものが明確
で真っ直ぐに前へ進んでいく。

この三つ巴の「戦い」にも注目です。

ロッキーシリーズには終盤に主人公が奮起する瞬間が必
ずありますが、本作でも最高にアガるシーンが用意され
ています。まず音楽が素晴らしいし、何より「俺も闘う
だからあんたも闘ってくれ、諦めないでくれ、立ち上が
ってくれ!あんたは今でもあんたのままだぜ!」そんな
クーグラー監督から父親への熱いメッセージが伝わって
きました。

この映画を観て思い出したひとつの詩を最後に載せたい
と思います。『インタステラー』でも引用されていたも
のです。


Do not go gentle into that good night
あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない

Old age should burn and rave at close of day
老齢は日暮れに 燃えさかり荒れ狂うべきだ

Rage, rage against the dying of the light
死に絶えゆく光に向かって 憤怒せよ 憤怒せよ

(中略)

And you, my father, there on the sad height
そしてあなた ぼくの父よ その悲しみの絶頂で

Curse, bless, me noe with your fierce tears, I pray
どうかいま あなたの激しい涙で ぼくを呪い祝福してください

Do not go gentle into that good night
あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない

Rage, rage against the dying of the light
死に絶えゆく光に向かって 憤怒せよ 憤怒せよ

--Dylan Thomas
--ディラン・トマス


父から子へ、スタローンからクーグラーヘ、ロッキー
からクリードへ。すべてが新世代へと受け継がれる映画
『クリード チャンプを継ぐ男』でした!!

詳細評価

物語
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映像
音楽

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