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ゴッド・ギャンブラー (1989)

賭神/GOD OF GAMBLERS

監督
バリー・ウォン
  • みたいムービー 10
  • みたログ 120

4.19 / 評価:32件

鑑賞はチョコレートを用意してから

  • lamlam_pachanga さん
  • 2011年6月8日 10時07分
  • 閲覧数 1226
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

この映画、とにかくテーマ曲がカッコいい。

『男たちの挽歌』のジョセフ・クーも素晴らしいけど、この映画のローウェル・ローも良い仕事をしてます。このテーマ曲と共にチョウ・ユンファが二挺拳銃乱れ撃ちを披露するシーンは、ファンなら思わず拍手喝采ってなもんでしょう。いや、大袈裟ではなく、個人的には80年代の香港映画屈指の名場面のひとつだと思うくらい。

ただあれが似合うのは、やはりチョウ・ユンファだからかも知れない。

80年代後半のチョウ・ユンファは“亜州影帝(アジア映画界の帝王)”の異名と共に君臨した文字通りのトップ・スターで、まさしく人気絶頂期にありました。中でも『男たちの挽歌』と並ぶ桁外れのヒットを飛ばしたのがこの『ゴッド・ギャンブラー』で、劇中、オールバックにスーツ(クライマックスではタキシード)姿で登場する彼に憧れた人も結構いたんじゃないでしょうか(当然私もそのひとり)。

共演は、こちらも当時売り出し中のアンディ・ラウとジョイ・ウォン。

この時期のアンディ・ラウはとにかくチンピラ役(チョウ・ユンファの舎弟かジャッキー・チュンの兄貴分)を演じることが多かった記憶がありますが、ただ本作ではそれまで演じたステレオ・タイプのチンピラではなく、どこかマヌケでお茶目なキャラを飄々と演じています。ジョイ・ウォンの方はバ○みたいに幽女役ばかりを演じさせられいた時期で、たまに人間の女性を演じると非難集中と言う少し可哀想な状況にありましたが、それだけに本作の正統派ヒロインの役柄が記憶に残ってるんですよね。

それでも「笑いとエロスとパクリ」で知られるバリー・ウォン(最近は大陸発音のウォン・ジンを名乗ってます)がこの映画を失敗させる可能性は十分にあったはずです。下らないギャグを連発したり、下品なエロスを撒き散らしたり、いつもの彼なら私はついていけなかったはず。それだけに生粋の彼のファンには物足りないのかも知れませんが、個人的にはこの人の目線は香港の観客だけに向いている感じがするので(似てるのはチャウ・シンチー)、あまり自由過ぎる作風も、この映画くらいにしてもらわないとついていけないんですよね。

映画は、ある天才ギャンブラーの活躍を描きます。

“賭神”コウ(チョウ・ユンファ)は東京で上山と言うギャンブラーに勝利を収め、彼からシンガポールの賭博王との対決を依頼される。大好物のチョコレートと引き換えにこの依頼を受けたコウは、勝負を前に新たなボディガードのドラゴン(チャールズ・ヒョン)と共に香港へ戻ることに。一方、チンピラのナイフ(アンディ・ラウ)、恋人のジェイン(ジョイ・ウォン)、舎弟のクロールは、ある日近所のインド人から馬鹿にされ、その仕返しに散歩道の柵に悪戯を施す。だがその悪戯に誤ってコウがひっかかり、崖から転落した彼は頭を強打して記憶喪失の上、幼児並みの知能になってしまう。仕方なく彼の面倒を看るナイフたちは、チョコレート好きの彼をチョコと名付ける。やがてナイフはチョコに天才的な博打の才能が眠っていることに気付き、それを利用して一儲けしようと企むのだが。

ギャンブルやアクションの場面の緊張感もなかなかなんですが、この映画最大の見所は、記憶を失ったチョウ・ユンファの演技です。『大丈夫日記』よろしく、天性のコメディエンヌぶりを遺憾なく発揮。私は常々この俳優の凄味と言うか魅力はこの部分にあると思ってるんですが、彼のその魅力が発揮された映画が少ないことが残念。この映画ではそれにプラスして『男たちの挽歌』などで魅せる颯爽としたガン・アクションまで披露してるんですから、そりゃあファンには堪らない映画のはずです。

高利貸し(ン・マンタ)を前にチョコを口一杯頬張りながら、超絶的トランプ捌きを魅せる場面(これは本当に猛特訓した成果なんだとか)。アイスを頬張りながら風船と一緒に現れる場面。そして、冒頭にも書いたテーマ曲にのって二挺拳銃炸裂の場面。

これらの場面を観れば、私の言うチョウ・ユンファの魅力に気付いて頂けると思います。多くの俳優がひとつのイメージを打破するのに悪戦苦闘する中、一本の映画の中で軽々とその壁を飛び越えていく稀有な才能の持ち主。それが、“亜州影帝”なのです。

映画自体は当然ギャンブル映画としての面白さもありますが、個人的には、映画中盤の家族のような関係になっていく彼らを観てるのが楽しかった。その先のラストシーンの清々しさまで、バリー・ウォン一世一代の映画にして、“亜州影帝”チョウ・ユンファの代表作のひとつだと私は考えてます。

そうそう。劇中のユンファにつられてチョコを食べたくなるのは必至なので、あらかじめ用意しておくことをお薦めします。

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