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セラヴィ! (2017)

LE SENS DE LA FETE/C'EST LA VIE!

監督
エリック・トレダノ
オリヴィエ・ナカシュ
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3.57 / 評価:141件

予期せぬ化学反応は豊かな人生を連れてくる

  • dr.hawk さん
  • 2018年7月11日 1時43分
  • 閲覧数 275
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

2018.7.9 字幕 イオンシネマ京都桂川


2017年のフランス映画
引退を考えているベテランウエディングプランナーが手掛ける豪華絢爛な結婚式で起こるパプニング&アクシデントを描いたコメディ映画
監督&脚本はエリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ


物語は主人公マックス(ジャン=ピエール・バクリ)がある若者カップルのプラン相談を受けているところから始まる
彼は30年にもわたって結婚式をプロデュースしてきたベテランで、カップルはなんとか予算を抑えたいと考えていた
話はかみ合わずにプランは保留、彼は現場へと急行することになった

彼が今手がけている結婚式は17世紀のパリ郊外にある古城を使ったもので、新郎はクセが強く豪華絢爛な式にしたいと申し出る
マックスは彼の要望を受けてプランを立てたが、現場に行ってみると様々なトラブルやアクシデントなどで先行きには不安しかなかった

しかもマックスは妻と別居状態でチームの愛人からは「早く一緒になれないのか」と急かされ愛想をつかされかけていた


物語は結婚式を舞台に「人生の紆余曲折」を軽快なコメディとして描いて行く
原題『Le sens de la fete』は直訳すると「人生の意味」である

「人生はひとりでは作れず、思うようにもならない」
これが作品のテーマとして「結婚式」を舞台に描かれて行く


ドラブルは数多くあれど、
「余興として読んでいたアーティスト(DJ)が病欠で代わりに来たのが結婚式の雰囲気にそぐわない」
「メールの誤変換で来なくていいと言われ、スタッフが欠員状態」
「代わりに呼んだスタッフは身なりが最悪でシェーバー使うのに冷蔵庫のプラグを抜いたままにして食材が腐る」
「アーティストが腐った食材のメインディッシュを食べて食中毒」
など枚挙に暇がない

気の毒なマックスだが、彼も上から目線で罵倒する面があるので、若干自業自得感も否めない


この映画の作成経緯に2015年のパリ同時多発テロがあり、「社会の欠点に目を向けているときに、笑えてただ楽しめることを皆が必要している」という理念が根底にある

だから悪人はいないけど、ちょっとしたボタンの掛け違いによって起こるアクシデントは笑いに満ちている

本人たちは至って真面目(フランス的に)なので、悪びれてもいないが、その中で「責任を負う」マックスは気が気でない


結婚式は誰のためにあるかと言われれば「新婦」のためにあると言えるだろうか
この映画では夫が色々と考えて「立派な式」を上げようとするが、「夫の思惑でうまくいった部分はほとんど退屈」というのが笑える
論文発表のような謝辞、空中遊泳などはシュールで、義母が出会い系サイトで男とまぐわるほどに当初の思惑から乖離して行く


出てくる人のほとんどが「ポンコツ」で、むしろ「このスタッフを集めたアンタが悪いんだろう」状態なので被害者面してブチ切れるのはどうかしてるのだが、それ以上に彼らは「想定外のポンコツ」だった

プロとしての自覚どころか、人としてどうよレベルなので、アメリカだと訴訟、日本だと緊張感で張り詰めた空気になるに違い


物語は使えないスタッフたちの活躍で式が盛り上がり、「かつてない一度きりの結婚式」となって、「妻が大満足」して終わる
夫が色々文句を言っても妻の「感動した!最高!」の前では、陳腐な言葉の羅列に成り下がってしまう

終わり良ければ全て良し、アクシデントを笑えるかどうか、というテーマの元、マックスは会社を売りに出して引退しようとしていたのを思いとどまる

なかなか妻に別れを切り出せなかったのも、いざ話してみると「妻は元カレと元サヤに収まってうまくいってる」
言われて拍子抜けしてしまう

考えすぎて動けなくなるよりも、さっさと動いた方が予後は明るかったりするし、意外とうまくもいく
うまくいかなくても、「人生の窮地は、長い人生から見れば一瞬の出来事」と思えるようになれば、人生を楽しめるのである

この言葉はカメラマンのセリフだが、これは監督から国内に向けたメッセージだと感じた


いずれにせよ、人生はいろんな要素が絡みながら「自分で制御できるもの」とそうでないものに支配され続ける

結果を作るのは得てして「制御できないもの」の化学反応であって、目的は「人生が楽しくあること」だとすると、些細なアクシデントを飲み込むことでクリアできる

窮地に陥ったとき、その事態に対する心の向きはそのまま結果として現れる

マックスはスタッフを罵倒はするものの「職業人としての自覚」を促し、「働く意味とそれに対する人生の意味」を突きつけることで、それぞれがやるべき事を考えていく

人生の幸福な瞬間に立ち会える喜びの中で自分はどうあるべきか

その心の向きが描かれているのではないだろうか

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • コミカル
  • ゴージャス
  • 笑える
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