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チャッピー (2015)

CHAPPIE

監督
ニール・ブロムカンプ
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3.67 / 評価:2,749件

解説

『第9地区』『エリジウム』の鬼才ニール・ブロムカンプが手掛けたSFアクション。人工知能を搭載したロボットのチャッピーが自身を誘拐したストリートギャングたちと奇妙な絆を育みながら、壮絶な戦いに巻き込まれていく。『第9地区』にも出演したシャールト・コプリー、『X-MEN』シリーズなどのヒュー・ジャックマン、『愛は霧のかなたに』などのシガーニー・ウィーヴァーなど、実力派や個性派が出演。純粋無垢(むく)なチャッピーの愛らしい姿やリアルな造形に加え、すさまじいアクションの数々も見もの。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

2016年、南アフリカ。ディオン(デヴ・パテル)は、世界初の自身で感じ、考え、成長することができる人工知能搭載ロボットのチャッピーを開発する。しかし、世界でも有数の危険地帯ヨハネスブルクに巣食うストリートギャングにチャッピーと一緒に誘拐されてしまう。起動したばかりで子供のように純粋なチャッピーは、ストリートギャングのメンバーたちと接し、彼らから生き抜くためのスキルを学んでいく。圧倒的スピードでさまざまな知識を吸収していくものの、バッテリー残量が5日分しかなく……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) Chappie -Photos By STEPHANIE BLOMKAMP
(C) Chappie -Photos By STEPHANIE BLOMKAMP

「チャッピー」入口は「ピノッキオ」だが、逸脱の仕方が面白い。あえて人間に味方しない蛮勇を買う

 モデルは多いが、話の入口は「ピノッキオ」だろう。「フランケンシュタイン」や「ロボコップ」や「ブレードランナー」よりも、「チャッピー」の主人公は、あの木彫りの人形を思い出させる。ただし、途中まで。

 映画の題は、主人公のロボットの名前だ。本体は黒っぽい艶消しの金属で、耳はウサギのように長い。もともとはロボット警察部隊(攻殻機動隊を連想させる)の一員だったが、技術開発者のディオン(デーブ・パテル)に人工知能を植え付けられ、言語を解するようになった。舞台は近未来のヨハネスブルク。失礼ながらディストピアに最も近い街だ。

 ピノッキオほど勉強嫌いではないが、ナイーブなチャッピーは甘い言葉に乗せられやすい。危難もつぎつぎと降りかかる。ギャングスタの一味にさらわれたあとは、その傾向に拍車がかかる。一味の男女はダディとマミーになりきり、チャッピーに強盗の手口を仕込む。

 もちろん、話はさらに飛躍する。実はギャングスタの一味など可愛らしいものだ。研究所では、野心的な科学者(ヒュー・ジャックマン)が、はるかに悪辣な計画を立てている。

 プロットはややもたつくが、監督のニール・ブロムカンプは持ち前の馬力で映画を推し進める。衝撃のデビュー作「第9地区」でもすでに明らかだったが、彼の美点は「人間に味方しない」ことだ。身勝手で強欲な人間のエゴを嫌い、人間に振りまわされるアウトサイダー(「第9地区」のエビや、この映画のチャッピー)にむしろ親密な眼を向ける。

 「チャッピー」のツボは、このあたりにある。ピノッキオの目標は人間になることだったが、ブロムカンプはそんな馬鹿げた夢をチャッピーに見させない。その結果、暴力は画面にあふれ、野暮ったいほど露骨な感情表現もときおりこぼれる。ここは評価の分かれるところだろうが、私はブロムカンプの蛮勇を買いたい。モーション・キャプチャーでチャッピーを演じ切ったシャールト・コプリーの体技にも一票を投じたい。彼らは、最悪の状況を黙々と生き抜くロボットにエールを送っている。(芝山幹郎)

映画.com(外部リンク)

2015年5月21日 更新

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