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ノラ・ミャオ クンフー・キッド (1975)

鐵拳小子/THE KUNG FU KID

監督
ロー・ウェイ
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3.50 / 評価:2件

陳惠敏好きなら必見だけど...

  • lamlam_pachanga さん
  • 2014年7月14日 19時05分
  • 閲覧数 1237
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

本作は77年製作の香港映画で、李小龍(ブルース・リー)や成龍(ジャッキー・チェン)を世に送り出した羅維(ロー・ウェイ)が監督・脚本を手掛けた、彼が得意とするハードボイルドな功夫映画です。

この当時の羅維は、嘉禾電影有限公司(ゴールデン・ハーベスト)の共同経営者だった鄒文懐(レイモンド・チョウ)と対立し、自身で立ち上げた羅維影業有限公司(ロー・ウェイ・プロダクション)を拠点に独自路線を走っていました。羅維の思惑は映画を観れば一目瞭然で、「過去の栄光よ、もう一度」とばかりに、“第二の李小龍”を育てることにありました。その候補とされたのが、オーストラリアから呼び戻された若き成龍であり、そしてこの映画の主演に抜擢された陳惠敏(チャーリー・チャン)です(ちなみにこの二人は、後に『プロジェクトA2/史上最大の標的』で大激闘を展開しています)。

日本では単なる脇役俳優くらいに思われている陳惠敏ですが、70年代の香港では、「脚有李小龍、拳有陳惠敏(足技の李小龍、手技の陳惠敏)」と謳われたほどの実力派武打星です。俳優転身前は香港警察に勤め、その後、キックボクシングの世界で大成。72年の東南アジア王座獲得と、83年の日本の森崎剛相手に魅せた1R35秒でのKO勝利は、キャリアの白眉として知られています(83年の試合は39歳にして現役復帰しての快挙)。

映画界入りし、邵氏兄弟有限公司(ショウ・ブラザース)のスタントマンとして下積みを送る陳惠敏に目をつけたのが、自社プロダクションの看板スターを欲していた羅維でした。羅維は、元々、(無意味に)暴力的で悲劇的なストーリーを好み、しかも、(安っぽい)三文小説さながらのハードボイルド・ドラマを得意としています。当然のごとく、成龍と羅維は“水と油”の関係に終わりましたが、逆に“水を得た魚”となったのが陳惠敏です。

ヤク中の父親を抱える方敏(陳惠敏)は、薬代を稼ぐために窃盗を続ける。だが、父親はそんな人生に堪えかねて自殺。方敏も警察に捕まり、少年院へ送られる。元々正義感の強い方敏はそこで更生し、徐々に周りの信頼を集めるようになる。一方、麻薬密売組織を一網打尽にしたい警察は、方敏をイヌとして送り込むことを決断。父親を殺した麻薬を憎悪する方敏はこれを引き受け釈放される。その矢先、男に風俗へ売られそうになっていた女性(苗可秀)を助け、この一件をきっかけに、組織のボス(田豊)の妻(金霏)の用心棒として信頼されるようになる…。

この映画は、60~70年代の香港映画を観慣れていないと、ちょっとキツイかも知れません。

例えば、苗可秀(ノラ・ミャオ)の名前を知っている人はまだ多いでしょうが、そちらではなく、田豊(ティエン・ファン)や金霏(ティナ・フェイ)の名前に反応出来る人でなければ“単なる古臭い映画”で終わるでしょうし、何の魅力も感じない映画でしょう。

いつものことですが、羅維の映画(とゆーか、脚本)は、本当に下らない三文小説の域を出ません。ストーリーの収斂とか考えてもないし、伏線っぽいシーンはことごとく放置されます(前半の警察内部の内通者とか、あれくらいは回収してくれよ)。なので、真面目に映画と向き合う人には、本当にバカらしくなる可能性があります。

でも、そんな映画も、免疫のある人(私)なら面白く観ることが出来るのです(笑)

まず、日本ではあまり観ることの出来ない、若き陳惠敏の溌剌とした功夫。そりゃあね、キックボクシング出身の彼に功夫をさせるのは無理があると思いましたが、やはり実戦出身者にしか纏えない、独特の迫力はさすがです(但し、逆に全く華がないのが玉に瑕)。次に、邵氏兄弟有限公司ではセクシー女優として活躍した金霏の色気。いや、別に私も美人だなんて思わないですけど、何か、あの唇と太腿には70年代特有の妙なエロさを感じちゃいますね(笑)そして、やっぱり羅維映画特有の、あの無意味なハードボイルド感。映画の瑕疵…例えば、下らないストーリーとか、へたくそな演出とかは置いといて、ほとんど必要性のない死が描かれる羅維の世界も、一度慣れてしまえば居心地がよくなるのです(笑)

ただ、繰り返しますが、これを楽しめるのは一部の人間だけ。

つまり、『クンフー・キッド』は、香港映画、それもかなり精通している一部のマニア御用達の映画。興味本位での手出しは…止めた方が無難かも知れません。

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