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ローガン・ラッキー (2017)

LOGAN LUCKY

監督
スティーヴン・ソダーバーグ
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3.58 / 評価:814件

解説

『トラフィック』や『オーシャンズ』シリーズなどのスティーヴン・ソダーバーグ監督がメガホンを取ったクライムムービー。カーレース「NASCAR」の売上金強奪をもくろむ兄弟と爆破のプロフェッショナルの姿を追う。『マジック・マイク』『フォックスキャッチャー』などのチャニング・テイタム、『ハングリー・ハーツ』などのアダム・ドライヴァー、『007』シリーズなどのダニエル・クレイグのほか、ヒラリー・スワンク、ライリー・キーオらが出演。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

脚が不自由で仕事も家族も失ったジミー(チャニング・テイタム)は、人生を一変させようと犯罪計画を立てていた。それはカーレース「NASCAR」が開催されるサーキット場の金庫から、大金を強奪するというものだった。片腕を失った元軍人の弟クライド(アダム・ドライヴァー)、カーマニアの妹メリー(ライリー・キーオ)、爆破のプロで服役中のジョー(ダニエル・クレイグ)を仲間に迎えるジミー。ジョーを脱獄させて金庫を爆破し、再び彼を獄中に戻す大胆不敵な計画は順調に進んでいたように思えたが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2017 Incarcerated Industries Inc. All Rights Reserved.
(C)2017 Incarcerated Industries Inc. All Rights Reserved.

「ローガン・ラッキー」不器用でマヌケで愛すべきキャラクターたち。ソダーバーグらしい犯罪コメディ

 「スティーヴン・ソダーバーグが引退を撤回!」というのには、正直、さしたる意味はない。ソダーバーグは傑作ドラマ「The Knick ザ・ニック」を作ったり「マジック・マイクXXL」で撮影監督をしていたり、全然作品作りから遠ざかってなかったし、ぶっちゃけほとんどの人が“引退”なんて信じていなかっただろう。

 とはいえ4年ぶりの新作映画が力の抜けた犯罪コメディだった――というのはいかにもソダーバーグらしい。ソダーバーグは偏屈でもひねくれ者でもないが、復帰作に“いかにも”な大仰さがないのは、もはやドラマだろうが映画だろうが何の垣根も感じていないということ。実際、次の新作「Mosaic」はインタラクティブなアプリとしても配信され、その次に控えている「Unsane」は全編iPhoneで撮影したホラーだという。フットワークの軽さは相変わらずハリウッド随一だ。

 そして「ローガン・ラッキー」は、自身の大ヒット作「オーシャンズ11」になぞらえられるのも納得の犯罪コメディだ。足の負傷でアメフト選手の夢を諦めたジミー(チャニング・テイタム)と、戦争で片腕を失ったバーテンダーの弟クライド(アダム・ドライバー)が、悪運を跳ね返すべくレース会場からの現金強奪を計画する。とはいえ犯罪はド素人のふたりは、(地元では)伝説の爆破犯ジョー・バング(ダニエル・クレイグ)に協力を仰ぐ……。

 すっとぼけたミスで笑いを誘いつつ、案外巧妙な犯罪計画が進んでいく語り口は「オーシャンズ11」の地方バージョンといった趣き。テイタム、ドライバー、クレイグにヒラリー・スワンクまで加わるオールスターキャストであることも共通点だが、どの出演者もみごとに役に埋没しているのが素晴らしい。実は「オーシャンズ11」シリーズもそうだったが、メインディッシュは作戦の成否でなく、不器用でマヌケで愛すべきキャラクターたちなのだ。

 もうひとつ、この映画の主人公と呼びたいのが、物語のキーにもなっている曲「カントリー・ロード」で歌われるウエストヴァージニアや、NASCARレースの本拠地ノースカロライナといった田舎の諸州の空気感。洗練とは程遠く、のんびりした時間が流れているからこそ成立するストーリーや世界観なのだ。地方が抱える閉塞感もさらりと忍ばせてはいるが、決して深刻ぶらない風通しのよさが心地いい。

 ユルい「オーシャンズ11」という評価も出るだろうが、それも織り込み済み、計算ずくなのがいかにもソダーバーグ。隙があるようで隙のない粋なエンタメである。(村山章)

映画.com(外部リンク)

2017年11月16日 更新

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