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君の名は。 (2016)

YOUR NAME.

監督
新海誠
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  • みたログ 6.6万

4.12 / 評価:58,144件

解説

『星を追う子ども』『言の葉の庭』などの新海誠が監督と脚本を務めたアニメーション。見知らぬ者同士であった田舎町で生活している少女と東京に住む少年が、奇妙な夢を通じて導かれていく姿を追う。キャラクターデザインに『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』シリーズなどの田中将賀、作画監督に『もののけ姫』などの安藤雅司、ボイスキャストに『バクマン。』などの神木隆之介、『舞妓はレディ』などの上白石萌音が名を連ねる。ファンタスティックでスケール感に満ちあふれた物語や、緻密で繊細なビジュアルにも圧倒される。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

「君の名は。」3・11後の日本へのレクイエムとエール。新海誠の新境地であり最高傑作

 理想的なメジャーデビュー作というべきだろう。新海誠のセンスを一切損なうことなく、メジャーアップデートを果たしている。監督のセンスもさることながら、プロデューサーのバランス感覚が素晴らしいのだろう。スタジオジブリでも細田守でもなく東宝が夏のアニメに新海誠を指名したことは大きな驚きだったが、作家性を存分に発揮させたうえで、多くの観客の心を掴むのに十分な広い窓口の作品に仕上がっている。

 一人で作り上げた「ほしのこえ」、つづく「雲のむこう、約束の場所」でセカイ系の旗手として、アニメファンの認知を獲得、その後の「秒速5センチメートル」では等身大の恋物語を美しい風景にのせて描き、さらにファン層を拡大した。「言の葉の庭」では本音を見せない男女の恋模様を雨に心理描写を託し、風景描写に一層の磨きがかかった。興行的にも一定の成功を収め着実にステップアップしていた新海監督だが、本作は過去の新海映画の集大成ともいうべきエッセンスが凝縮されているだけでなく、今までの作品には見られなかった社会へのメッセージも込められている。

 高校生の男女が夢の中で入れ替わるファンタジックな設定と新海映画の代名詞ともいえる実写と見紛う美しい背景描写が絶妙なバランスを保ち、純な高校生男女の恋物語が、一つの街の危機という大きな物語と絶妙に絡みあう。セカイ系は日常の描写と世界の存亡をかけた戦いが唐突に重なりあう独特さが魅力でもあり弱点でもあったが、本作はその不自然さを払拭している。

 3・11を経た我々は、ある日突然世界が終わるかのような災害に襲われることがあることを知っている。絶望は唐突に訪れる、しかし人間の歴史はその繰り返しで、一つの災害が終われば知見を増やし次に備え、日々の生活に戻り、時に忘れては思い出す。その中で人は愛し、生活を営み、笑ったり泣いたりして死んでいく。そんな幾人もの人生の積み重ねに今の我々があるのだ、ということを本作は思い起こさせる。時間はねじれて、絡まって、時に戻って。災害で失われた人々の想いは時を超えてもどこかで今を生きる我々とつながっているのだ。3・11だけではない、本作は歴史の全ての災害で失われた人々へのレクイエムであり、悲しみも喜びも背負ってこれからの時代を生きていく若者へのエールと希望を高らかに謳いあげた傑作だ。(杉本穂高)

映画.com(外部リンク)

2016年8月25日 更新

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