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夜明け告げるルーのうた (2017)

LU OVER THE WALL

監督
湯浅政明
  • みたいムービー 127
  • みたログ 435

3.88 / 評価:371件

貝で始まり貝で終わる物語

  • dbg***** さん
  • 2017年8月27日 14時11分
  • 閲覧数 219
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

三回観ました!
この作品がアヌシーの最高賞を受賞し、日の光を浴びることができ本当に嬉しく思います。もっと多くの人に観てもらう価値のある作品です。

クレヨンしんちゃん以外の湯浅監督の作品は、独特の世界観があって観る人を選ぶ感じがしますが、この作品はキャラクターが親しみやすく、ストーリーもわかりやすいので、子供から大人まで、普段アニメを観ない人にも楽しめる内容に仕上がっていると思います。もちろん湯浅作品ならではのダイナミックな動きは健在です。海を潜るシーンや町のみんなが踊るシーンは最高!

この作品の肝であるルー。本当に愛くるしくて、自由奔放で無垢な存在として描かれています。ワカメ着てるし笑。谷花音さんの声も実にはまり役。
ルーのお父さん、ワン魚など独特で魅力的なキャラクターも出てきますよ。

私が一番好きなシーンは爺さんのラストシーンです。回想場面での簡略化された絵柄がじんわりと功を奏しています。何度観ても腹の底から身震いして鼻が垂れてきます。
天才湯浅監督にやられました。

三回鑑賞して気づいたのですが、カイの家での食事シーンで貝が出てきます。貝の状態に注視して観ると、あーなるほどと意味がわかります。一瞬だけ映る貝もあります。貝で始まり貝で終わっています。
難しくないストーリーですが、こんなにも隠喩があったのかと知ると、かなり凝った作品だとわかります。


ここから先は考察含めたネタバレになります!



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隠喩はいくつかありますが、その物理的な状態が、心の状態を表していると思います。

主人公カイは、貝を意味しているようです(パンフより)。実にストレート!

傘の状態にも注視。雨降りの時にボートに乗って傘をさすカイは、この時すでにルーに心を開いているんだと思います。爺さんの傘作りもそうですし、ラストでの色とりどりに花開いた傘は日陰を作るだけなく、心理的な表現でも意味があるように思います。

高い壁、夜明けも然り。

すべては
「閉じ込めていた状態が解放される」
「閉ざされていたものが広がっていく」
この過程がストーリーになっています。

お日様の光を浴びては生きていけない人魚。
ラストでカイが素直に気持ちを打ち明けるシーンでルーが後退りします。夜明けの光が射すところから離れるように。
カイの闇が照らされることになり、自分の役目が終わったかのようにルーは去って行きます。ルーはカイを閉ざされた闇から引きずり出す役を担うと同時に、闇がなくなることでルーはその世界で生きていけなくなります。
闇の中で輝き、お日様が照ると見えなくなるお月様のように。ルー(Lu)の名の由来は、月の女神を意味する「Luna」から来ているのかもしれませんね。

カイは両親の離婚で母親不在となりますが、他の登場人物の母親が不在なことも気になります。エヴァ?

最後に
サントラ出してほしいです!

詳細評価

物語
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