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思い出のマーニー (2014)

監督
米林宏昌
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3.65 / 評価:4,308件

解説

『借りぐらしのアリエッティ』などの米林宏昌が監督を務め、ジョーン・G・ロビンソンの児童文学を映画化したファンタジーアニメ。北海道を舞台に、苦悩を抱えて生きる12歳の少女杏奈と彼女同様深い悲しみを心に宿すミステリアスな少女マーニーとの出会いを描写する。『ジョーカーゲーム』などの高月彩良と『リトル・マエストラ』などの有村架純が声優を担当。主人公たちの目線で捉えた物語に心打たれる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

心を閉ざした少女杏奈は、ぜんそくの療養を目的に親戚が生活している海沿いの村にやって来た。そんなある日、彼女の前に誰もいない屋敷の青い窓に閉じ込められた、きれいなブロンドの少女マーニーが姿を見せる。その出会い以来、杏奈の身の回りでは立て続けに奇妙な出来事が起きるようになるが、それは二人だけの秘密だった。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2014 GNDHDDTK
(C)2014 GNDHDDTK

「思い出のマーニー」世界と折り合えない少女の内面をリアルに描いて共感を呼ぶ、かつてないジブリ!

 金髪の女の子が出てくる、ジブリの新しい作品という情報だけで観ることにした私にとって、本編は本当に驚きの連続だった。

 苦しみを抱えた主人公、杏奈の目に映る世界の残酷さがリアルなのだ。杏奈を苦しめる、悪ではないけれど、俗っぽくて居心地の悪い優しさの描かれ方に、ゾクゾクする。こんなジブリは初めて! 優しいのに、正しいのに、わかっているのに拒否してしまう世界と対峙する12歳。自分にも覚えがあるだけに、あの頃の記憶がよみがえり、苦しい。だからこそ、マーニーとの出会いの、楽しさと喜びが美しく輝いて、そしてまた不安になる。

 マーニーのふわふわな髪の毛、楽しそうな声、杏奈の長い手足のひとつひとつの動きが繊細に感情に語りかけてくる。これは友情なのか、夢なのか、と少しずつひっかかるエピソードが、ラストに向けて紐解かれていくのには、胸が痛みながらも救われる思いだった。

 舞台となった北海道の風や湿度、水の冷たさまでもが体験したように心に残る。どこかを旅するたびに、「ジブリっぽい!」と似た風景を見つけて喜んでしまうように、あの入り江の湿地は私の心の風景のひとつになった。原作の舞台イギリスとほぼ同じ緯度の北海道だから、こんなにも気持ちよく物語りに入り込めたのかもしれない。

 12歳の頃といったら、私にとって暗黒期だった。大人も信用できず、同世代ともうまくいかない。その時代をなんとかやり過ごせたのは、小説だったりマンガの世界と出会えたからだ。

 大人になっても、少し慣れるくらいで、苦しみはやってくる。そんなもがきのなかで、世界と折り合いをつけるまでのお守りが、「思い出のマーニー」のような作品なんだと思う。(衿沢世衣子)

映画.com(外部リンク)

2014年7月17日 更新

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