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戦場のピアニスト (2002)

THE PIANIST

監督
ロマン・ポランスキー
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4.16 / 評価:961件

解説

ナチスのホロコーストを生き抜いた実在のユダヤ系ピアニストの半生を描く、2002年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。『チャイナタウン』『テス』などで名高い巨匠ロマン・ポランスキー監督が、ポーランドの国民的ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの回想録を映画化。幼少時をゲットーで過ごし、母を収容所で亡くした経験を持つ監督自身の原体験に回帰した渾身の一作。主演のエイドリアン・ブロディが、代役なしで臨んだピアノ演奏シーンは圧巻。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1940年、ドイツ占領下のポーランド。ユダヤ系ピアニスト、シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)は家族と共にゲットーへ移住。やがてユダヤ人の収容所移送が始まり、家族の中で彼だけが収容所行きを免れた。食うや食わずの潜伏生活を送るある日、遂に1人のドイツ兵に見つかる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2002 PR PRODUCTION/STUDIO BABELSBERG/HERITAGE FILM/RUNTEAM LIMITED.
(C)2002 PR PRODUCTION/STUDIO BABELSBERG/HERITAGE FILM/RUNTEAM LIMITED.

「戦場のピアニスト」─怖いほどの美しさとは、このような動きのことを言うのだろう

ナチス政権による虐待の嵐の中を奇跡的に生き延びた、ユダヤ系ポーランド人ピアニスト。彼は実在の人物で、ポーランドを代表するピアニストであり作曲家でもあるのだが、彼のサバイバル物語となるはずのこの映画の中で、彼はほとんど何もしない。周囲の人々に助けられるばかりで、ピアノを弾く才能以外、彼には悪条件下を生き抜く生活の知恵も、気力も、勇気も何もないのである。

だから彼の奇跡的な生還は、そのピアノ演奏の才能を神に愛されたとしか言いようがないのだが、一方で、彼を助けた周囲の人間たちは、ことごとく死ぬ。言い換えれば、彼らをいけにえにして彼だけが生き延びたのだということにもなる。数しれない死骸の上に、たった1人立つピアニスト……。

そんなイメージが、廃墟と化したワルシャワの街で呆然とする主人公のショットへ繋がっていく。世界の果てまで続くかと思われるその空虚な広がりと共に、彼のピアノはある。神の愛と死者たちの叫びが、それには込められているのだ。だから映画の最後に延々と映されるピアノを弾く彼の指先のショットは、神の手さばきであると同時にゾンビたちのダンスのようにも見える。怖いほどの美しさとは、このような動きのことを言うのだろう。(樋口泰人)

日劇1ほか全国東宝洋画系にて公開中

[eiga.com/2月18日]

映画.com(外部リンク)

2003年2月18日 更新

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