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新宿スワン (2014)

監督
園子温
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3.08 / 評価:2,829件

解説

ベストセラーを誇る和久井健の漫画を実写化したドラマ。新宿の歌舞伎町を舞台に、スカウトマンの青年がさまざまな女性を水商売、風俗、AVといった世界へと送り出しながら奔走する姿を追う。監督は『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』などの園子温。『そこのみにて光輝く』などの綾野剛、『闇金ウシジマくん』シリーズなどの山田孝之、『ヘルタースケルター』などの沢尻エリカ、『あしたのジョー』などの伊勢谷友介と豪華な面々が結集。彼らが織り成す濃密な展開に加え、園監督ならではの鮮烈なタッチにも注目。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

一文なしだが野心だけは人一倍ある白鳥龍彦(綾野剛)は、新宿・歌舞伎町に乗り込んで一旗揚げようと決意する。ひょんなことから彼は、名の知れたスカウトマンとして数々の伝説を持つ真虎(伊勢谷友介)に誘われてスカウト会社バーストの社員に。歌舞伎町をゆく女性たちに声を掛けては、水商売、風俗、AVの仕事をあっせんし、その紹介料をつかんでいく龍彦。さまざまな人物や出来事と対峙(たいじ)しながら、彼はスカウトマンとして、一人の人間として大きく成長していく。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2015「新宿スワン」製作委員会
(C)2015「新宿スワン」製作委員会

「新宿スワン」歌舞伎町を舞台にアブナイやつらが群雄割拠。重層的な熱いドラマ

 シンプルに言えば、「クローズ」シリーズの“大人版”。だが、のし上がるために己のプライドだけを懸けて拳をまみえた高校生たちとの決定的な違いは、すべてにおいてビジネスが絡むという点である。しかも、舞台は世界有数の歓楽街で人種のるつぼ、新宿・歌舞伎町。さまざまな欲望、野望、謀略が錯綜する、重層的な熱いドラマだ。

 スカウトを生業とするバーストの新人スカウトマンに抜てきされた白鳥龍彦(綾野剛)。夢を売る商売といわれるスカウトだが、女性の“就職先”が思うようにならないことも多い。不器用で非情になりきれない龍彦だが、「俺がスカウトした女は、必ず幸せだったと言わせます」と虚勢を張り、どんな障壁にも一心不乱に突き進んでいく。その前向きな姿勢は痛快ですらあり、太い軸として作品に小気味よいテンポをもたらす。

 龍彦の周囲は常にかまびすしい。知略に長けた真虎(伊勢谷友介)、武闘派の関(深水元基)らバースト幹部ですらいかにも怪しく、ライバル社のハーレムは露骨に非合法な手段を使い挑発してくる。さらに、ハーレムで暗躍する秀吉(山田孝之)の龍彦に対する私怨まで加わり、混迷の度合いは増す一方だ。

 心にイチモツあるアブナイやつらが群雄割拠。当然、対決となれば容赦がない。目抜き通りで、裏路地で、風俗店でと所構わず暴れまくる。それぞれの個性を際立たせながらのアクションの波状攻撃は、園子温監督ならではの躍動感。龍彦VS秀吉のクライマックスまで一気に見せきる。

 そして、数々のドラマを引き立たせる歌舞伎町の景観も見逃せない。かつて「眠らない街 新宿鮫」や「犬、走る DOG RACE」など撮影が制約された例は数多くあるが、極彩色のネオン輝く華やかさと、すえた匂いが伝わってきそうな裏路地のみだらな雰囲気がリアリティを増幅させる。一部は浜松でのロケだそうだが、実に見事なもので、もうひとつの主役といえる役割を果たしている。(鈴木元)

映画.com(外部リンク)

2015年5月21日 更新

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