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神様メール (2015)

LE TOUT NOUVEAU TESTAMENT/THE BRAND NEW TESTAMENT

監督
ジャコ・ヴァン・ドルマル
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  • みたログ 746

3.43 / 評価:544件

聖書の神ってほんとDV親父だよね~

  • bakeneko さん
  • 2016年5月30日 10時20分
  • 閲覧数 1694
  • 役立ち度 16
    • 総合評価
    • ★★★★★

「トト・ザ・ヒーロー」、「8日目」、「ミスター・ノーボディ」と、“人間と人生を俯瞰する優しい視点”と“シニカルとロマンチズムとが共存する独特の詩情”が、映画鑑賞後に観客を優しい気持で包んで豊かな余韻を残すージャコ・ヴァン・ドルマルの新作で、基督教&ユダヤ教&イスラム教に共通の唯一神を基にした風刺寓話を通して“人生と人間の絆の真実を浮かび上がらせています。

新約聖書を手本にして、神の娘が“新しい聖書を作り直す”という作業中に、新たにリクルートする6人の使徒を通して人生の意味を語っていく寓話劇で、めちゃくちゃ性格の悪い“神”のキャラクターが強烈であります(でも、世界の混乱と不条理を考えると、なんか納得させるものがあります♡)。

新約聖書は元来12使徒達(マルコ、ルカ、ペテロ、ヨハネ、マタイ…)がキリストの言動を後述したものの集合体である―ということを思い出させてくれる作品で、
ろくでなしのDV神が気晴らしに人類を苛めて愉しむのを改善すべく、新しい聖書(原題:“新・新約聖書”)を作成すべく地上(ブリュッセル)に降り立った娘が出逢う6人の使徒の“人生の物語と生きることとの対峙”が、諧謔味&ユーモア&詩情をブレンドして語られていきます。
各キャラクターの過去と現在を時空を交錯させて描きながら、同時に彼等の夢と願望をそれぞれのテーマ曲に集約して見聞かせてくれる作劇となっていて、例えば登場キャラクターの接近に合わせて、パーセルのO Solitude (Z. 406)とシューベルトの「死と乙女(D. 810)」が共鳴するシークエンスは身震いがするほどの美しいハーモニーを現出させていますし、ドルマル監督作でいつも引用されるシャルル・トレネの今回の曲は代表曲La Merであります(Merには“海”の他に“お母さん”の意味もあって本作では伏線となっています)。

で、相変わらず監督が好きな映画へのオマージュも満載の作品で、サイレントの「カビリア」から、アニメーション「手袋の失われた世界」、フェリーニの「インテルビスタ」、「アマルコルド」、「甘い生活」などの作品群、「アメリ」、「私はロランス」…と沢山の映画の名シーンを絶妙に映画に挟み込んでいますし、オリジナルテーマ曲はフォーレ風の旋律であります。
そして俳優陣には、「八日目」のパスカル・デュケンヌの懐かしい姿も観ることができますし、ヨランド・モロー、フランソワ・ダミアン、ブノワ・ポールヴー、カトリーヌ・ドヌーヴらの名演も見所であります。
冒頭の“神は最初にブリュセルを創った!”から、人を喰った設定と奇想天外の展開を、自在に時空を飛び廻る視点やアニメーションを駆使して見せながら、“人生の愛おしさ”を浮かび上がらせていく作品で、ベルギーにはカザフスタンからの不法労働者が多いことも分かりますし、劇中の台詞“人生はスケート場だ”は名言ですよ!


ねたばれ?
1、クライマックスの転換点で掛かる女神が大好きなダリダの曲“ 18歳の彼(Il venait d'avoir 18 ans)”―の抜粋を、

彼はちょうど18歳になったばかり
彼は子どものように美しく
一人前の男のように逞しかった
それは夏だったわ、確か…
そして私は数えたわ、彼を見つめている間、
秋の私の夜な夜なを…
私は私の髪を結う
私の目よりもう少し黒い髪を
笑っちゃうわよね…

(中略)
私は私の髪を結う
私の目よりもう少し黒い髪を
いつもの習慣で…
私は単純に忘れていたのよ
私は18歳の二倍の歳であることを…

2、確かに余命が分かったら無駄な戦争なんてバカらしくてやってられないよね!(シンプルだけれど強烈な皮肉にして真理!)

3、で、集めた涙の用途は?

詳細評価

物語
配役
演出
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音楽

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