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重力ピエロ (2009)

監督
森淳一
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3.74 / 評価:1,467件

解説

作家・伊坂幸太郎のベストセラー小説である、傑作ミステリーの映画化作品。数々の伏線を基に、一つに絡み合ったすべての謎が解けたとき、過去から今へとつながる家族の真実が明らかにされる。物語の核となる兄弟役に挑むのは、『それでもボクはやってない』の加瀬亮と『天然コケッコー』の岡田将生。主人公の両親にふんするのは、小日向文世と鈴木京香。監督デビュー作『Laundry ランドリー』で高い評価を得た、森淳一の演出手腕にも注目したい。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

遺伝子を研究する泉水(加瀬亮)と芸術的な才能を持つ春(岡田将生)は、一見すると仲の良さそうな普通の兄弟だ。そんな二人の住む街では、謎の連続放火事件が発生していた。泉水と春は事件に深く踏み込み、家族を巻き込みながら次第に家族の過去にも近づいていくのだが……。

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映画レポート

(C)2009「重力ピエロ」製作委員会
(C)2009「重力ピエロ」製作委員会

「重力ピエロ」芝居の見応えで堪能させる近年の日本映画には極めて珍しい快作

 仙台市内で発生する連続放火事件と現場の近くに残された謎の落書き。大学院で遺伝子の研究をする兄と落書き消しの仕事をしている2歳年下の弟はその落書きが放火犯のメッセージだと知って犯人を追ううち、24年前に彼らの家族に起きたある悲劇を知ることになる……。物語がたどり着くのは究極の家族愛と、流行りのキーワードを使えば“草食系男子”のしたたかさ。この後者こそが著作が競うように映画化されている伊坂幸太郎の原作が現代的として人気を得る最大の要素の一つでもあろう。切なさと感動の基本はとりかえしのつかない悲劇でも、巧みな構成でもなく、外見は優しく、線の細い男たちの本質的な芯の強さ、あるいは強くあろうと努力する姿。それを体現するのは加瀬亮と小日向文世という、日本で“草食系”をやらせて右に出る者のない2人の演技派俳優だ。この2人をキャスティングした段階でこの作品の勝利は約束されたといっても過言ではない。“肉食系”を演じる渡部篤郎、岡田将生、吉高由里子のエネルギッシュな奮闘も2人を際立たせている。

 「Laundry」の森淳一監督は、多くの伊坂作品の映画化が特異な物語だけを語ろうとして失敗している轍を踏まず、謎解きミステリーとしての仕掛けはほどほどにして、演技の質を高めることで登場人物に深みと奥行きを持たせるという映画作りの基本を真摯に実践し、型破りな物語に説得力を持たせることに成功した。芝居の見応えで堪能させる近年の日本映画には極めて珍しい快作である。(江戸木純)

映画.com(外部リンク)

2009年5月28日 更新

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