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4.0点
ノッポでろくにベースも弾けずステージで変な動きをしてたまに切れたりする如何にもジャンキーな奴、という存在自体がパンクでカリスマ。それをゲイリーオールドマンが見事に再現しています。ちょっと上の世代なのでリアルタイムであまり知らなかったが、キースリチャーズしかりロックは危ない人ほどモテた時代、シドは際立っています。 もちろんジョン・ロットンのボーカルあってこそのピストルズですがカルチャーとしてのパンクの象徴はシド・ビシャスなのだろう。そのステージファッションや妙な動きは今見ても斬新。なにしろシドはほとんど演奏していない。そんなやつがバンドの象徴になったなんて例は後にも先にもないわけで、存在自体が傑出している。しかしそれらはマネージャーのマルコムによって過激にプロモートされた幻影であり演奏技術はアマチアバンドの域をでない。ジョンにも不満が募る。そして全米ツアー中の崩壊。シドとナンシーの最期。走馬灯のようなヒストリーにこれぞアナーキーな生き様、と感嘆。 ゲイリー・オールドマンは後に「レオン」でもジャンキー刑事をやった。イカれた役をやると病的にうまい、この領域を演じれば天才。とにかく観る人を選ぶ映画です。
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