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シド・アンド・ナンシー

こめこ

3.0

共依存

人生全体を見たらバンドも解散してお金もなく孤独で不幸な2人に見えるが、不幸の中の幸福だった部分だけを見つめて生きることができたら、それは幸せなんだろう。そんな2人の話だった。薬物から離れられなかったのが原因だが、晩年の彼らに寄り添う人がドラックのバイヤーくらいしかいなかったのが悲しい。ナンシーに出会う前から、シドは母親の影響で軽いドラッグは使っていたようなので育った環境が及ぼす影響は大きい。ナンシーがライブに白いドレスを着て壇上に上がっていくシーンが美しかった。謎が多いナンシーの最期の演出はどっちにも取れる演出で良かった。ネットがなく、現代以上に自分と共感してくれる人が貴重で、見つけにくかった時代。シドとナンシーは堕落していく関係だと分かってもこの人しかいない!と思って突き進んでしまった。結果ドラッグのせいで居場所も家族もなくなって、その苦しみをまたドラッグで忘れようとする。死ぬまで悪循環から抜け出せなかった彼等が、死後に賞賛されるのは後年作られたこの映画を見てなんとも言えない気分になる。現代のロミオとジュリエットのように神格化されているようだが、ただのかわいそうな物語として消化されているだけだ。

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