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死の谷 (1949)

COLORADO TERRITORY

監督
ラオール・ウォルシュ
  • みたいムービー 2
  • みたログ 13

3.75 / 評価:8件

「死」の西部劇

  • すかあふえいす さん
  • 2014年4月26日 22時35分
  • 閲覧数 701
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

ラオール・ウォルシュの作品は壮絶な最期を迎えるものが多いが、その中でも本作は一番心を打たれた。
「ハイ・シェラ」を西部劇としてより洗練させたリメイク。


現代的な様相、何処か虚無的な雰囲気、ファムファタール(悪女)の誕生・・・フィルム・ノワールとしても面白い西部劇だ。


ガンファイトは物足りないと感じる時もあるが、冒頭から脱獄、駅馬車の襲撃など要所要所でアクションが程よく入り、人間ドラマもかなり面白いのでダレが無い。
ラストの警備隊の追撃や二人の最期はガンファイトとしても素晴らしい&壮絶なシーンを見せてくれた。


本編は白人とインディの哀しき運命を描くストーリーだが、この映画は「生」と「死」がテーマでもあり白黒の画面だからこそそれを色濃く感じられる。
主人公は犯罪を犯した“罪人”であったが、一度牢獄から出て「カタギの人間」としてやり直そうとした。
旅を続ける傍ら様々な事件に巻き込まれ、インディアンの混血の娘に惹かれる。
二人は次第に強い絆で結ばれていく。
祝福する者は誰もいない教会での結婚式・・・。
社会からはみ出した者同士にしか解らない痛みと温もり・・・。

しかし運命は主人公を元の犯罪者という逃れられない「死」へと追い込んでいく。
一度犯罪を犯せばその烙印を一生背負う。
一度人を殺せばもっと重い烙印を背負い続ける。
そんな事を言われているような胸に響く映画だった。

この映画は90分だが、「たった90分」と思うほど時間が早く感じられる。
もう30分この二人のやり取りが見たいくらい切なくなってしまう幕切れだった。
握った手・・・二人は一緒にあの場所へ行けたのだろうか・・・。

後の「俺たちに明日はない(ボニー&クライド)」に繋がる要素に溢れたアメリカン・ニューシネマの魁でもあり、「チャイナタウン」に先駆けるフィルム・ノワールとニューシネマの“冷たい握手”を初めて試みた映画でもあった。

主演を務めたジョエル・マクリーは後にサム・ペキンパーの「昼下りの決斗」にも出演。
消えゆく西部劇への望郷の念を色濃く感じられる作品で、マクリーは老シェリフを演じきった。

これからフィルム・ノワールのジャンルにも挑んでいきたいが、先行きがとても楽しみになる作品の一つ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 切ない
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