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姉妹と水兵 (1943)

TWO GIRLS AND A SAILOR

監督
リチャード・ソープ
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3.14 / 評価:7件

エンターテインメントとしての楽しさ満載

  • rup***** さん
  • 2014年10月29日 23時05分
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    • 総合評価
    • ★★★★★

ジューン・アリスン演じるしっかり者の姉パッツィとグロリア・デ・ヘヴン演じる自由気ままな妹ジーン。
特に、惚れっぽい性格のジーンのことを幼い頃亡くした母親のように気にかけ見守るパッツィのお姉さんらしさが随所に観られるのが嬉しいところです。でも、全面的に母親代わりをしているわけじゃなく、自分が好きになった水兵ジョニー(ヴァン・ジョンスン)とジーンがダンスをしているのに嫉妬して、陸軍軍曹のフランク(トム・ドレイク)をけしかけるような態度を取ったり、夢の中でジョニーをめぐってジーンとつかみ合いの喧嘩をしてしまうなど女心が見え隠れするあたりが何ともいじらしく、また可愛らしくも見えてしまいます。一方、ジーンの妹らしさは、指しゃぶりの癖など演出的にちょっとわざとらしい部分もありますが、常に甘えた感じが出ているのがいいですね。そんな彼女も終盤では姉を思って行動するのがとても微笑ましくなります。

この他愛ない姉妹の物語の間に、数々のミュージシャンや歌手、芸人たちによるパフォーマンスが楽しめます。
ジューン・アリスンの歌とハリー・ジェームスのトランペットの掛け合いによる『Young Man with a Horn』の素晴らしさは、ジューンのミュージカルスターとしての輝ける瞬間です。グロリア・デ・ヘヴンは、兵隊たちに囲まれて『My Mother Told Me』を歌うシーンでのほんわかした雰囲気が素敵。ハリー・ジェームスの独奏する『Estrellita』の美しさ、ジミー・デュランテの円熟した芸が光る『Inka Dinka Doo』、カルロス・ラミレスの朗々たる『Granada』、ヴァージニア・オブライエンが表情を変えずに歌う『Take It Easy』、グレイシー・アレンが人差し指一本でピアノを弾きロンドン交響楽団とセッションする珍妙な『Concerto for Index Finger(人差し指のためのコンチェルト)』、ホセ・イトゥルビと妹アンパロ・ノヴァロによるピアノ演奏『火祭りの踊り』などなど目白押しで、次から次へとおいしい料理が運ばれてくるといった感じで見ごたえ十分です。

ジョー・パスターナックの製作した映画は、ユニヴァーサル時代の1時間半前後のコンパクトにまとまった作品がベストの長さではなかったかと勝手に思っているのですが、MGMに移ってからは、より多くの予算とキャストを組める中、小品向けのストーリーを数多くのパフォーマンス(主演スターの歌やゲストスターの客演などの挟み込み)でカバーしていくといういわば水増しの手法で華やかに見えるよう仕立てていることが多々あるような気がします。そのため、パフォーマンス自体が弱いと作品全体がインパクトのないものとなってしまいますが、この作品では、1つ1つのパフォーマンスがすべて楽しく見ごたえのあるものとなっているために、逆にそれが強みとなり、パッツィとジーンが織り成す姉妹の物語と相まって、戦時中の慰問映画という枠を超えた最高のエンターテインメント作品に仕上がっているのではないかと思いました。

監督のリチャード・ソープは、早撮りを得意とする職人監督で無難にまとめるといった印象が強いのですが、この作品では、パフォーマンスのライブ感がうまく出ているのが魅力です。特に、巨大な倉庫のような広い撮影スタジオをキャンティーンとして使って、パフォーマーが大勢の観客に囲まれるようにして演目を披露しているシーンでは、パフォーマンスがその場で行われている様子が直に伝わってきて、一緒に観ているような気分になれるのが楽しいですし、また、主要キャスト陣が他の観客に交じってそれらのパフォーマンスを眺めている姿や、パフォーマンス中に個々の感情の動きが見える姿がインサートされているのも、演目とストーリーを乖離させない効果を上げているように感じました。

詳細評価

物語
配役
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音楽

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