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愛人/ラマン (1992)

L'AMANT/THE LOVER

監督
ジャン=ジャック・アノー
  • みたいムービー 84
  • みたログ 1,177

4.09 / 評価:240件

心を感じる機能の目覚め

  • kun***** さん
  • 2009年5月20日 16時41分
  • 閲覧数 1546
  • 役立ち度 10
    • 総合評価
    • ★★★★★

 冒頭シーンからのベトナムの陽射しや川や草木などの自然は、昔原っぱで遊んでた頃を思い出し、何か懐かしく癒される感じがしました。しかしその後、そんな懐古風情を吹き飛ばすドラマのような事実(ある程度?)が繰り広げられます・・・
 主人公やその家族達は、皆それぞれ悩みを抱えていたようです。
 母は夫に先だたれ、あげくに人に騙されての踏んだり蹴ったり・・・その埋め合わせに長男を溺愛、そしてお金への執着。
 長男は母親の期待や溺愛に押しつぶされ阿片や暴力へ傾倒していく・・・ヒールに見えますが長男も母親の気持ちに押しつぶされた被害者なのかも知れません。
 次男はそんなギスギスした家庭に常に脅えて不安を抱え暮らしていました。
 そして主人公はというと、自分を愛して欲しい母親が愛情を長男に注ぎ込んでいる為、愛情がどういうものかを経験する事なく思春期を脱していきます。母は自分でも自認する程、娘に対して無関心で気持ちを注ぎませんでした(娘に買った服や帽子の事など全然覚えていない)。だから、主人公は中国人青年と出会った時、『恋心』という人としての感情を感じる事が出来なかったのでしょう。そして『愛人』という形で肉体関係が始まってゆきます・・・
 中国人青年がいくら愛情を伝えても、それを感じる心の機能自体が備わってませんでした。
 それでも関係が終わらなかったのは、そりゃあセックスの相性も良かったのでしょうし、中国人青年にお金があったからでしょうが、本質的には両者の間に通低する見えざる恋愛感情があったからでしょう。
 ラストに近づき、母がやや主人公を認めてくれて、安心感が出てきて、人や自分の気持ちを素直に感じる準備がようやっと整いだした頃に帰仏・・・中国人青年の深い愛情と自分自身でも気づいていなかった相手に対する気持ちを感じ、船上での号泣になったわけです。ここにきて一気に心を感じる機能が目覚めたのですね。
 『遅い!何で今頃?』と思います。しかし、それだけ遠回りして確信できた愛情だからこそ、お互いに老年期を迎えた後でも気持ちが通じ合っていたのではないでしょうか?

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ロマンチック
  • 切ない
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