作品レビュー(1件)
- カーティス
3.0点
身も蓋もないことを言ってしまえば、本作はハリーハウゼンの「シンバット七回目の航海」の亜流作品なのですが、他の亜流作品とは力の入れ方が違います。 ジャック役のカーウィン・マシューズとペンドラゴン役のトリン・サッチャーはそれぞれ「~七回目の航海」のシンバットと魔術師ソクーラですし、監督は同作の監督もしたネイザン・ジュランと言った具合に本家のスタッフ・キャストが参加。「~七回目の航海」同様ストップモーションアニメを大きな売りにするなど、めちゃくちゃ気合いがはいってます。 それもそのはず、本作を製作したエドワード・スモールは、ハリーハウゼンが「~七回目の航海」を売り込んだプロデューサーの1人。断った企画が大ヒットしたのを見てあわてて作ったのが本作なのです。なので、モンスター、キャラ、展開に至るまでかなりシンバットを意識したつくりになっていて、話的にはまったく関係ない(シンバットはアラビアンナイト、本作はイギリスの伝承がそれぞれモチーフ)のにどこか姉妹編のような雰囲気が漂う作品に仕上がっています。見比べてみると面白いですよ。 肝心の出来はというと、気合いを入れただけあってなかなか楽しい出来。特撮もセットもなかなか本格的(当時としては)ですし、内容も王道なので安心して楽しめます。悪女好きとしては、ペンドラゴンの魔術で手先になってしまうヒロインの変貌ぶりがつぼです。 ただストップモーションアニメに関しては本家には敵わない。というのもモデルのデザインと造形がひどすぎるのです。言ってしまえば、子どもの落書きを粘土で適当にこねて作ったというような感じ。アニメーターはかなり健闘していて(担当者の中の1人は新鋭ジム・ダンフォース!)なかなか楽しませてくれるのですが、造形のせいで見栄えが非常に悪い。デザインと造形の大切さと、ハリーハウゼンの偉大さを改めて感じた次第です…
スタッフ・キャスト
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