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上海特急

上海特急

SHANGHAI EXPRESS

81

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4.0

ディートリッヒのまぶた

1932年。ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督。マレーネ・ディ-トリッヒ。北京から上海へ向かう列車に偶然乗り合わせたかつての恋人が、ふたたび結ばれる話。お互いに本心を隠して強がるけれど諦められないという「かつての絆復活」の映画。中国の内戦状況が背景になっていて、映画のなかで「反乱軍」というのは共産党のことでしょうが、それには触れません。アメリカ映画だから。 単調な物語に比べて強烈なのはやはりディートリッヒ。美しいのは間違いないけれど、そのまぶたが。。。常にキョロキョロしているのは本心を隠すという役柄からでしょうが、そうではなくて、やたらとまぶたが動く。目が大きい分だけまぶたも大きく、瞬きが大袈裟なのです。心ここにあらずという心理的な演技を超えて、注意力散漫で神経質な人に見えてきます。 とはいえ、当初から彼女は黒いヴェールをつけているのだから、強烈な意志を発してしまう目を隠すことがねらいなのかもしれません。隠すことができない意志が宿る目。まぶたを下げてその意志の光を抑えようとしたのでしょうか。

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