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新・13日の金曜日 (1985)

FRIDAY THE 13TH PART V: A NEW BEGINNING

監督
ダニー・スタインマン
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2.98 / 評価:49件

マンネリズムを打開した異色作にして成功作

  • yuki さん
  • 2017年7月4日 8時31分
  • 閲覧数 1090
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

毎度おなじみ13日の金曜日の第五作でござい。前作で初めて男でジェイソンに勝利したトミー・ジャーヴィス少年が青年になって再登場する。
2の冒頭で惨殺されるアリスを除けば、続編に前作のキャラクターが登場するのは初のことで、さらに舞台はクリスタルレイクではなく森林の奥にある精神病院となる。従来のジェイソンシリーズとはかなり趣が異なる異色作である。

ジェイソンシリーズといえば、マンネリズムこそがその醍醐味というところがある。脳を弛緩させ、パターン化された惨殺に、積み上がる死体の山をぼんやりと眺めるのがこの映画の楽しみ方だ。といってもそれが二回も三回も続くと流石に飽きてくる。part3では早くも演出に限界が見え始めてきたし、part4に至っては少年一家を主軸に置くことで新鮮味を演出したが、尽く裏目に出ていた。

今作では従来の”おやくそく”をあえて放擲することで、新味あるジェイソン映画の誕生に成功している。

物語はトミー・ジャーヴィスが森林の中にある精神病院に転院するところから始まる。トミーはジェイソンとの死闘によって精神に深い傷を負ってしまい、ちょっとしたことで過剰に攻撃的になってしまう。トミーの脳裏にはいまのジェイソンの幻視が写る。そして転院初日で院内でさっそく殺人事件が発生してしまう。(無能デブは早々に退場する運命だが今回は特に早い・・・)幸い犯人は早々に逮捕されたのだったが、この事件を機に、病院の周囲で次々と連続殺人が始まるのであった。

part5の優れている所は、何と言ってもジェイソンの正体を明確にしないことで、正体不明の誰かが殺しにかかる、ミステリー・サスペンスの要素を映画に取り入れたことだ。本作ではシリーズでも特に登場人物が多く、それだけ犯人探しを困難にさせる。精神病院という舞台柄、その患者はぜんぶマークしたいし、ならそのスタッフだって怪しいし、その周囲に済む一家はいかにも不気味であるし、さらには保安官たちまで登場する。いや、ひょっとしたら本当にジェイソンなのかも知れない。山勘で当てるのは難しい。
この構図をさらにおもしろくしてるのがトミー・ジャーヴィスだ。前作のいかにも意味ありげなエンディングが印象的だっただけに、この主人公を疑わないわけにはゆくまい。まるでロバート・ブロックの小説を煮込んだかのような設定だ。

しかしスプラッタと並行して進行するミステリーというのは、そもそも第一作ですでに描かれていた。オリジナルのもっとも優れていた点は何よりあの衝撃的なジェイソンの、殺人鬼の正体だった。シリーズ化し、ジェイソンがキャラクター化することで、物語はますます露悪的に、パターンのモンスター映画へと退化を続けた。part4ではその退行の”底辺”に達したとさえ思ったが、パターンを払拭した今作によってようやく一作目と肩を並べられる作品が出来た印象だ。

演出も中々で、始終テンポよく殺人が繰り広げられるので飽きはない。次から次へと死んでいく。文句を言えば殺し方のレパートリーが少ないのと特撮に力が入ってないってところだろうか。

終盤の展開はさすがにミスリードが過ぎるし、また何度もみたジェイソンのパターンに戻ってしまうのだが、まぁ逆に言えば安心感のある、安定したラストであった。

毎度おなじみ”最後のアレ”だけれど、さすがにクドい。あまり評価しない。

演出・テンポは優れているし、ストーリも独自性があって面白い。ホラーの傑作だとまでいう勇気は持ってないが、少なくとも13金シリーズの中では程よくバランスの取れた、数少ない秀作ではないだろうか。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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