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十字砲火 (1947)

CROSSFIRE

監督
エドワード・ドミトリク
  • みたいムービー 6
  • みたログ 16

4.00 / 評価:3件

「差別」という心理に斬り込む秀作。

  • 晴雨堂ミカエル さん
  • 2007年3月6日 12時41分
  • 閲覧数 514
  • 役立ち度 10
    • 総合評価
    • ★★★★★

 全米で初公開から三ヶ月で一切の上映が禁止となったいわくつきの作品と聞いていたが、アメリカ社会の病理を知るまでは何故「いわくつき」なのか、何故ドミトリク監督はこの映画以降ガラリと作風を変えたのか解らなかった。これはかつてジョン=レノン氏がなぜFBIから要注意人物とされたのかが解らなかったのと同種のナゾだった。
 この映画も起承転結が淡々と進む。秀作というのは起承転結がリズム良く進むものなのだろう。オーソドックスながら効果的なカメラワークとライティングで登場人物の心理を描写していく。
 殺人が起こり、容疑者が複数あらわれ、いずれも極悪人ではなく善良の範疇にある人々だ。そして被害者が殺されなければならない理由、殺さなければならない動機が最初は解らない。何故ならそれに見合う怨恨や利害関係は存在しないからだ。しかし、確固たる動機と理由が有った。それらはやがて容疑者たちの発言から断片的にあらわれ、しっかりとした輪郭になっていく。
 ミステリーとして秀作であり、なおかつ差別の本質を浮き彫りにした作品である。小中学校の同和教育の教材映画は何ら工夫もなく現象面だけをストレートに捉えて勧善懲悪仕立てで「差別は悪い事」と表現したものが多いが、この映画の方が「作品」として優れているだけでなく、「差別」という性質をよく現している。そもそも差別とは「悪人」が行うのではなく平凡な普通の人間がやることなのだから。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
  • 恐怖
  • 知的
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