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獣人 (1938)

LA BETE HUMAINE

監督
ジャン・ルノワール
  • みたいムービー 8
  • みたログ 41

3.36 / 評価:14件

愛と機関車

  • 一人旅 さん
  • 2016年2月27日 12時36分
  • 閲覧数 580
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

ジャン・ルノワール監督作。

発作的に女を殺害したい衝動に駆られる機関士・ジャックと、養父を殺した人妻の恋の顛末を描いたドラマ。
愛したいのに愛せない男の悲しみがひしひしと伝わってくる。愛が深まれば深まるほど、相手を殺したい衝動も比例的に高まっていく。ジャックにとって、自身の愛の終着点は死以外に存在しない。自身の理性とは関係なく本能的に大きくなっていく愛。抑制できない自身の愛が、ジャックを絶望と孤独の淵に陥れる。
また、機関車が効果的に使われている。ジャックの愛と機関車を同一的に描いた演出が素晴らしい。猛スピードで走る機関車を先頭から捉えた迫力に満ちた映像は、機関士ジャックの愛の暴走を象徴する。暴走する愛の行く先が死であるならば、機関車の終着点も死。愛と機関車、精神と物質が巧みにリンクされていくのだ。
主人公ジャックを演じるのはフランスを代表する名優、ジャン・ギャバン。厳つい表情を浮かべながら、自身の愛と凶暴性の狭間で苦悶する心を繊細な演技で魅せている。ジャックが恋に落ちる人妻を演じたシモーヌ・シモンの意地悪なネコみたいな顔付きと小悪魔的な演技も印象的。本作の獣人とはジャックのことを指すのだとは思うが、ジャックを唆す人妻や、嫉妬に狂う人妻の夫、人妻を手籠めにする養父にもそれぞれ肉体的もしくは精神的な凶暴性が秘められているように思う。
物語自体にはそれほど深みを感じられないのが残念だが、演出や映像では秀逸な点が多い作品だった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • ロマンチック
  • 恐怖
  • 絶望的
  • 切ない
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