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終着駅

終着駅

STAZIONE TERMINI/TERMINUS STATION/INDISCRETION OF AN AMERICAN WIFE

89

bakeneko

5.0

ネタバレイタリアの駅構内は広いよー

劇中の進行時間と上映時間を同調させた(90分の物語を90分の映画=リアルな時間で描いた)、恋愛&人間&心理ドラマの傑作であります。 映画は描く物語の時間経過を自由に操れますが、逆にリアルな時間経過で“緊迫した心理状態と刻々と変わる変化”を見せることで、観客の同調感覚を強めて、“等身大的”感銘を与えることも出来ます。 もちろん、大体2時間以内の出来事に起承転結とテーマを盛り込む訳ですから、卓越した脚本と演出力が必要となって来ます。逆に言えば、引き締まった名作が多い事も確かで、ちょっと考えつくだけでも、「ロープ」、「真昼の決闘」、「5時から7時までのクレオ」等があります(ウオーホールの「『眠り (Sleep)』」は論外ですが)。 本作は、殆ど2人の登場人物による“恋情の推移”を魅せてくれる映画で、“駅”という多くの人間が行き交う空間を最大限に生かして、“揺れる&昂揚する想い”を抜群の演出力で描いています。 主演のジェニファー・ジョーンズは「黄昏」と並ぶ彼女のベストの仕事でありますし、モンゴメリー・クリフトも陰影の強い演技を見せますが、出番は長くありませんが駅長や甥、他の乗客の役者も絶品であります。また、アレキサンドロ・チコニーニのテーマ曲は多くの人が一度は耳にした事のある叙情的な名曲であります。 イタリア庶民劇の名匠ビットリオ・デ・シーカによる“恋愛ドラマ”ですので、じっくりと人間&男女のドラマを観たい方にお薦めの作品ですが、半端ない演出力=緊張感で結構体力を使いますので,元気な時の観賞が宜しいかと思います。

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