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自由の幻想

自由の幻想

LE FANTOME DE LA LIBERTE

PG12104

一人旅

4.0

不自由なくして自由は有り得ない

ルイス・ブニュエル監督作。 以前某番組でマツコ・デラックスが“自由は不自由”と発言していたのを覚えている。学生だったその時は真意が分からなかったけど、社会人になって最近ようやくその意味が分かった。仕事に長時間拘束される平日という不自由があるからこそ、土日という自由の尊さや有難みが実感できる。 自由と不自由は2つで1つだ。不自由のない自由はもはや自由とは呼べない。 自由と不自由のバランスが大事なのに、本作で描かれるエピソードは自由過ぎる自由なものばかり。ナポレオン軍がスペインを侵略するエピソードでは、フランスの過激な自由が、スペインの過激な不自由として跳ね返ってしまう。 意味のありそうなエピソードだけでなく、ただ単にシュールなだけで意味の無い映像世界も盛り込まれていて面白い。 “食事と排泄が逆転したら・・・?”のシチュエーションが一番笑えた。 テーブルを囲んで皆恥ずかしげもなく用を足す。なのに途中で席を立ち、コソコソ個室に入って肉を食う(排泄)のだ。狙い過ぎな演出だと分かっていても、あまりの勢いの良さに負けてしまう。

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