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情婦 (1957)

WITNESS FOR THE PROSECUTION

監督
ビリー・ワイルダー
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4.46 / 評価:670件

検察側の証人

  • すかあふえいす さん
  • 2014年4月21日 20時37分
  • 閲覧数 1780
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

2回目の鑑賞。

アガサ・クリスティーよりもパトリシア・ハイスミスの方が面白いと思う俺は正直クリスティーの映画化作品はどれもハズレばかりという印象。

だが、ワイルダーのこの「検察側の証人」はクリスティーの傑作短編群にも引けを取らない、数ある映像化(ドラマは除く)の中で唯一と言っていい傑作だと思うよ。
それに「情婦」というクソ邦題を付けやがった連中はもう1回ぐらい死ぬべき。

俺個人はワイルダーといえば「深夜の告白」や「アパートの鍵貸します」だけど、この作品も一気に引き込まれるし、何よりチャールズ・ロートンとエルザ・ランチェスターといった面々のやり取りがとにかく楽しくて面白い。
ワイルダーの映画って狙いすぎててイマイチ笑えないのだけど、この作品は冒頭から笑いっ放しだった。


裁判の幕が上がるようなオープニング、そこに向う役者を揃える様に一人ずつ登場人物が姿を現す。

老練な弁護士ウィルフリッド、
それを何かと心配する看護婦のミス・プリムソル、
ウィルフリッドを助けるブローガンムーア、
殺人の疑いをかけられるレナード、
そして謎の女であるクリスチーネ・・・その裏に潜むもう一人の“女”。

特にマレーネ・ディートリッヒは当時56歳とは信じられない美貌と脚線美。ジョセフ・フォン・スタンバーグの傑作群とはまた違った魅力を感じさせる。間違いなく「嘆きの天使」「黒い罠」「ニュールンベルグ裁判」に並ぶ彼女の最高傑作です。

ウィルフリッドとプリムソルが夫婦喧嘩(チャールズ・ロートンとエルザ・ランチェスターは何度も共演するガチの夫婦)をしながら車で事務所に向う場面。二人が喋るだけで楽しくなってくる。階段のリフトを見て子供のような表情を見せるロートンが面白い。このリフトのやり取りだけでも見ていて飽きない。
「おまえを絞め殺してやる」→殺さないフラグ確定。
ところどころ伏線としか思えないセリフばかり。
何?マッチがない?君は悪い奴だ、え?ライターはある?君は良い奴だよ・・・都合良いなあ本当(笑)

やっと退院しかたかと思えば山ほど来る依頼に口うるさい看護婦。葉巻もロクに吸えない、杖に仕込んでまで吸おうとするヘビースモーカー。
そんな彼を動かしたのはその葉巻だった。ポケットの葉巻を見て飛びつくウィルフリッド。葉巻目当ての依頼承諾がとんでもない事件に発展していく。その葉巻を「あ、そうだった」と思い出したかのように返すウィルフリッド。嫁にバレたらマズい。

モノクルの“光”で心理分析、法廷でもウィルフリッドの薬で経過時間を表現したりと単なるセリフ劇に終わらせず一切退屈させてもらえない面白さ。
撮影を担当したラッセル・ハーランはハワード・ホークスの傑作群や「アラバマ物語」「拳銃魔」といった作品でも活躍した陰の功労者です。

レナードとクリスチーネの過去も面白い。コ-ヒー1杯飲むためにキスを繰り返す“楽しい取引”、タバコとガム、ベッドにダイブで天井崩壊、ディートリッヒの生脚。

ダメ男を助けるための大芝居、そんな尽くす女を裏切るかのような二重三重の大どんでん返し。面白かった。

詳細評価

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