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女王陛下の戦士 (1977)

SOLDIER OF ORANGE/SOLDAAT VAN ORANJE

監督
ポール・ヴァーホーヴェン
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4.00 / 評価:10件

『ブラックブック』には及ばないが...

  • 一人旅 さん
  • 2016年6月3日 11時04分
  • 閲覧数 410
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

ポール・ヴァーホーヴェン監督作。

第二次大戦時ドイツ支配下のオランダを舞台に、ライデン大学に通う大学生たちが辿るそれぞれの運命を描いた青春・戦争ドラマ。

ヴァーホーヴェンがオランダ時代に監督した作品。全長版は148分の大作で、日本でレンタルできるDVDは全長版のみ(200分越えのバージョンも存在するらしい)。ヴァーホーヴェンは同じく占領下のオランダを舞台にした大傑作『ブラックブック』を監督しているが、『ブラック~』では一人のユダヤ人女性の姿に焦点を当てた作品であるのに対し、本作は複数の大学生の視点から戦争を描いた群像劇風のスタイルを採っている。

戦争によってそれまでの日常が一変し、それぞれ別の道に進んでいくことを余儀なくされる大学生の姿を圧倒的スケールで描き出す。強国ドイツを前に為す術なく降伏するオランダ。女王はイギリスに亡命し、恐怖が国を支配する暗黒の時代が訪れる。オランダを代表する名優ルトガー・ハウアー扮する主人公エリックは、オランダ解放に向けて仲間と共にレジスタンス活動に没頭する。始めは対立関係にあった学生寮のリーダーであるヒュース(『4番目の男』のジェローン・クラッベ)とも、祖国解放という共通の目標に向かって奮闘する中で次第に友情を育んでいく。物語は祖国オランダのために戦うエリックとヒュースの男同士の友情を軸に展開していく。対して、同じ学生寮に所属していた別の友人は祖国解放のため尽力するのではなく、侵略者であるはずのナチス・ドイツに同調することでエリックらと対立することになる。戦争が友情を強固にする一方で、戦争が友情を引き裂いていく。

ヴァーホーヴェンらしい演出といえば、戦場の生々しく凄惨な描写にある。足が千切れて絶叫を上げる兵士。次の場面では、千切れた足の一部が道に転がる様子が映し出される。ドイツ軍の急襲により辺り一面は火の海となり、人が燃えていたり、空襲で出来たくぼみにいくつもの死体が横たわっていたりする。また、空襲で廃墟と化した軍施設を訪れたエリックとヒュースに対し、正気を失った軍人が同じ言葉を繰り返し呟く姿が印象に残る。

物語はシリアスだが、時おりコミカルな演出が取り入れられているのも特徴だ。怪我で苦悶する声が聞こえたかと思えば草むらで男女がセックスしているだけだったり、女の裸を利用して尾行者の目を逸らしたりする場面は緊迫した物語に相応しくない演出だが、そのギャップがまた魅力的だ。また、トイレで用を足している時に訪れる情けない悲劇は『パルプ・フィクション』の先駆け的演出のように思う。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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