スキャンダラスで、可愛らしい
- gar***** さん
- 2010年4月1日 13時09分
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突然夫と死に別れたミミ(カトリーヌ・スパーク)は、夫が自分に内緒で部屋を借りていたことを知る。それは、夫が他の女と情事を楽しむための場所だった。彼女は早速、その部屋を利用して様々な男と楽しむようになり…
最初、この映画のストーリーを聞いた時正直「見ないほうが良いかな~」と思いました。しかし、強力にプッシュするなじみにビデオ屋さんの店員さん(女性です)に根負けしたのと「新たなジャンル開拓」を目指す意味で借りることにしました。
見終わっての感想は、「うん、良いなこれ!」です。非常にエロチックな話ながらも決して嫌らしくなく、それでいて可愛らしさを感じさせる展開が楽しいです。特に笑ったのは、ミミがテニスのコーチと情事を持つシーン。コーチをシャワーで押し倒しちゃう所も良いですが、洒脱なのは情事の後。シャワー室の「UOMINI(男性用)」と書かれているプレートの所に「?」を口紅で書き込む所。何ともユーモラスな感じが絶品です。
そんな映画が持つ最大の魅力は、何といってもカトリーヌ・スパークです。1960年代後半のフランスやイタリア映画のセックスシンボルとして活躍した人だそうですが、今回初めて彼女のことを知りました。可愛らしい女の子という反面、非常に小悪魔的でいて成熟した女の魅力を兼ね備えたスパークは、友だちにはあまりなりたくはない(特に彼氏は紹介できませんよね…)が、その魅力の秘密は探ってみたいと思わせるものがあります。「アイドル」というとちょっと子供っぽい感じがしますし、「セックスシンボル」とも少し違う、不思議な魅力の持ち主です。個性的でおしゃれな60年代ファッションを身にまとって大活躍する彼女なくして、この映画は成り立たなかったと思います。
そして、この映画でスパークに負けぬ魅力を発揮しているのが、ミミが多くの男との情事の末に出会う医者カルロを演じたジャン=ルイ・トランティニャンです。トランティニャンといえば『男と女』のレーサーに、『暗殺の森』のマルチェッロなど1960年代、70年代のヨーロッパ映画に欠かせぬ俳優さんです。この作品では、突如自分の前に現れた奔放で可愛い女を見事に操縦していく男を実にカッコよく演じてます。非常に野放図なミミを少しずつ手なずけていくカルロとそんな彼を愛するようになるミミの姿は実に微笑ましい味わいがあります。そして秀逸なのはラストです…詳しく書くことを控えますが、非常にビックリですがカルロの度量の大きさと愛を感じます。決してマッチョなタイプではありませんが、男性的魅力に満ちたトランティニャンもまたこの映画で輝いていると思います。
スキャンダラスで、可愛い魅力を持ったエロティックコメディー。スパークの不思議な魅力とトランティニャンの男の魅力が、実に素敵です。
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