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ジョンとメリー

ジョンとメリー

JOHN AND MARY

92

kat********

5.0

え、もう40年も経つんだ

友達との昔話で、名画座の話題になった。 彼は東京に来て、初めて行った映画館が新宿の日活名画だったらしい。 現在、伊勢丹前のマルイがある場所にあった建物で、その8階(?)にあった二本立ての映画館である。 彼の記憶によると、その時観たのは「ジョンとメリー」と「哀愁の花びら」の2本。(すごい記憶力だ) それぞれ個性のある作品だが、二本立ての名画座では、名作と二流作、ヒット作と売れない作品の組み合わせが常識らしい。 1969年のキネ旬ベスト9選出の「ジョンとメリー」、方や、ある筋の人たちにとってはカルトムービーとまで言われている「哀愁の花びら」の組み合わせは、まさに新宿らしいラインアップのようにも見える。(哀愁の花びらは個人的には好きです) 「ジョンとメリー」は、一夜で知り合った男女が、自分の恋愛履歴のオーバーラップを繰り返し、お互い相手のことを探りだしながら、二人の愛を確立して行く物語です。 当時、ダスティン・ホフマンは「卒業」「真夜中のカウボーイ」で有望若手男優ナンバー1。 ミア・ファーローも「ローズ・マリーの赤ちゃん」で個性派女優として注目され始めており、まさに今が旬の役者の競演で評判になった作品です。 1969年のNY、物語のほとんどがジョン(ダスティン・ホフマン)のアパートが舞台になっていますが、なんと言っても、この部屋のかっこよさにシビレます。 モダンなインテリア、ドロップしたコーヒーとオーブンでの料理。 当時、世田谷の安アパート暮らしだった自分とは別次元の世界でした。 音楽も時間帯によって変える。 朝はクラシック、昼はブラスそして夜はジャズ。 これがニューヨーカーってやつなんだ、なんて憧れの眼差し。 そこで繰り広げられる恋の駆け引きに、恋愛のれの字もわからない若造が、おしゃれなニューヨーカーの生活と会話の虜になってしまった。 バーで知り合った二人は、名前を聞き出すタイミングをはずしたままラストに。 「君の名前は?」「メリーよ、あなたは?」 「ジョン」 ざっと40年も前の映画。 友達との昔話から蘇った青春の1ページだった。

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