ここから本文です

シラノ・ド・ベルジュラック (1990)

CYRANO DE BERGERAC

監督
ジャン=ポール・ラプノー
  • みたいムービー 84
  • みたログ 278

4.19 / 評価:75件

勇士、詩人、哲学者だったら、嫌われもするさ。

  • 百兵映 さん
  • 2018年2月28日 17時17分
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

 豪放な兵士であり、哲学者であり、詩人でもある。そういう実在の男・シラノを描いた“戯曲”を映画化したもの。だから、映画のセリフは殆んど戯曲のものが転写されているのだろう。それは、殆んど“詩”の吟唱といえる。だから、原語・フランス語でないと、この良さは分からないのだろう。私などは、その良さが分からないまま、戯曲映画の雰囲気を楽しむことしかできなかった。それでも、2時間半にも及ぶ長尺に退屈はしなかった。

 勇士であり教養人でもあるのだから、(文武両道に通じる)この男はさぞかし女性にモテるはずだ。だがそうはならない。彼には美貌が備わっていなかった。これが致命的(と彼は思い込んでいる)。結局、意中の女性に、あろうことかライバルとの橋渡しを演ずる。こうまで卑屈になることもなかろうに。

 しかし、最終的には彼・シラノの真意が伝わって(というよりバレてしまって)、めでたしめでたし。

 シラノは鼻の形がおかしい。しかし、画面で見る鼻は「嫌われ」の元であるとは思えない。彼が嫌われ恨まれるのは、彼が哲学者であり理論家でもあったこと、それによる誰彼構わぬ口撃に因るのではなかったか。作品冒頭で、劇場に殴り込み、暴言を吐き、決闘にまで及ぶ。剣の一振りごとに、韻を踏んだ詩を朗じる……。ここに、「嫌われ」の素が紹介されている。剣で恐れられ、論で恨まれ、詩で妬まれる。出来過ぎる男は四面楚歌の中で生きる。人々は、彼の鼻を笑うしか抵抗できなかった。唯一の弱点が鼻だったのだ。

 こういう男もいいのではないか? 鼻も貧弱で、文 & 武 ともに貧相な年寄りには羨ましい限りだ。何よりも、詩もさることながら、フランス語も分からない。低い鼻をこすりながら、デジタル画面で見物するのみ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ