古今東西のアニメの最高峰
- cyborg_she_loves_me さん
- 2018年10月7日 17時50分
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歴史的名作とは知っていましたが、それって要するに、骨董品的価値が高いってだけのことでしょ、としか思っていなかった私は、「童話」だと思って馬鹿にしてた、っていうのもあって、長いこと見たことありませんでした。
それが、たまたま機会があって見てみたら……
そのあまりのすごさに、心底びっくりしました。
これは、1937年にここまで作ったのは素晴らしい、なんていうレベルの話ではありません。これ以後現在にまで至るすべてのアニメ作品の中でも、これを凌駕する作品はちょっと見当たらない、というぐらい、すごいです。
何よりもまず、この「質感」。
手を出したらその人物の肌の柔らかさやぬくもりまで感じられそうな、こんな質感をもった映像を、アニメで作り出すとは。
さらに、この映画はミュージカル仕立てですが、その音楽と映像との見事な一致。
単に「ズレてない」というだけじゃなくて、音楽の「ノリ」に映像がちゃんと乗ってるんですね。見ているこっちの体まで思わず踊り出しそうなぐらいの見事なリズム感で、映像が歌い、踊ってる。
ストーリーは、グリム童話にも入ってて、誰でも子供の頃から何度となく聞いたことのある話ですから、意外さやワクワク・ドキドキは、もちろんありません。
そういう全体の起承転結は、だからまあどうでもいいので、この有名な物語にどんなふうに肉付けをしてどんなふうに料理したか、が見所でしょう。
その細部の描き方の入念さが、素晴らしいです。すごいです。
私みたいに馬鹿にして見たことがなかった皆さん、是非一度見てみることをおすすめします。
私の個人的な趣味としては、7人のこびとたちを、こんなグニャグニャのゴムみたいに描かず、せっかくこれだけの質感を出せるのだから、白雪姫や女王と同じような人間的質感をもたせて描いてほしかったな、とは思いましたけど。
それは映画の完成度とは別の、単なる趣味の問題ですけどね。
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